広い空の下で～約束～１ (ページ18)

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5話ページ18

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「そういやステラっていっつも何やってんだ？」

『？料理とか……って前話しませんでしたっけ？』

「いつもおれが来る前にここでなんかしてるだろ？青く光ってさ、強風を起こしたりさ！あれ、なにしてんだ？」

脱力して丸まった背筋がぴしりと固まる。
まさかバレていたなんて、と顔が青くなっていた。

「あー悪い。言いたくないなら無理しなくていいぞ」

ステラの不自然な様子に気づいたサボは慌ててつけ加える。
それが自分よりも慌てているように見えて、ふっと肩の力が抜けていく気がした。

『超能力って知ってますか？』

「？超能力って言ったら……物を浮かす、とかか？」

突然の問いかけに首を傾げるもしっかりと答える。
その答えにひとつ頷いたステラは、そのまま能力を発動させ、サボを浮かせた。

「おお！すげぇ！
なんだこれ！」

『超能力って色々あるんです。瞬間移動だったり、眠らせたり、見えないはずのものが見えたり。
私が扱うのは念力。サボさんがさっき言っていた、物を浮かしたりができます』

自分の能力を褒められたことで嬉しくなったステラは意気揚々と解説する。そんな時だった。

「ばっ！ま、待て！」

背後からステラを襲いかかろうとする人物を見て、慌てて止める。しかし、そんなことで止まるはずもなく、鉄パイプを大きく振りかぶる。

サボの反応と感じとった気配で振り向いたステラは間一髪のところで躱した。

「何やってんだ！エース！」

「何やってんだって、助けてやったんじゃねーか」

「別に襲われてねーよ！」

突然始まったいつも通りのやり取りにステラは呆然とするしか無かった。

「そうか。野牛を仕留めたのもこれか。
おいお前！勝負しろ！」

「急に何言ってんだよエース！
それに勝負するならおれが先だ！」

「知るか！おれだ！」

『いや、私するなんて一言も……』

かと思えば、勝負しろと巻き込まれる始末。
その、あまりの勢いの激しさに、しどろもどろになっていた。

「なんだ、ビビってんのか？
まあ所詮女だもんな」

そうバカにしたように口角を上げるエース。
その瞬間、ステラの目つきが変わる。

初めて見る顔。

サボとステラは付き合いが長いわけではない。

それでもわかった。
わかってしまった。

あれは怒っているのだ、と。