任務先でぶりっ子始めました ３

１２９話 暗殺訓練の中間報告 ページ41

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　烏間side



「視線を切らすな！！
次に標的(ターゲット)がどう動くのか予測しろ！！

全員が予測すれば、それだけ奴の逃げ道を塞ぐことになる！！」



　グラウンドで生徒達を相手に、俺はアドバイスをする。


　４ヶ月目に入るにあたり......【可能性】がありそうな生徒が増えてきた。


　磯貝悠馬と前原陽斗。


　運動神経も良く、仲も良い２人のコンビネーション。２人かがりなら...俺がナイフを当てられるケースが増えてきた。



「良(よし)！！２人それぞれ加点１点！！」



　赤羽業。


　一見のらりくらりとしているが...その目には強い悪戯心(いたずらごころ)が宿っている。


　どこかで俺に決定的な一撃を加え...赤っ恥をかかそうなどと考えているが、


そう簡単にいくかな？



「...チッ」




　女子は体操部出身で意表を突いた動きができる岡野ひなたと、男子並みの体格(リーチ)を持つ片岡メグ。


　このあたりが近接攻撃(アタッカー)として非常に優秀だ。



「《そして殺せんせー。彼こそ正に俺の理想の教師像だ。あんな人格者を殺すなんてとんでもない！！》」


「人の思考を捏造(ねつぞう)するな。失せろ標的(ターゲット)」


『アハハッ、せんせーもぉ懲りませんねぇ』



　俺の耳元でボソボソと訳の分からないことをほざく奴を一喝すると、側にいた彼女はからかうかのようにそう言った。


友田A。


　彼女は普段、ぶりっ子？と呼ばれるキャラを演じているらしいが、実のところ、都市伝説と化している【鬼殺隊】と一員なのだ。


　正体がバレないように訓練には参加していない。が、いつか実力を見てみたいものだ。


　１度『暗殺は我々の仕事ではない』と断られてしまったが、彼女の力が加われば、奴を殺せる見込みは十分にあるだろう。



　寺坂竜馬、吉田太成、村松拓哉の悪ガキ３人組。こちらは未だに訓練に対して積極性を欠く。


　３人とも体格は良いだけに...彼等が本気を出せば大きな戦力になるのだが。


　全体を見れば生徒達の暗殺能力は格段に向上している。この他に目だった生徒はいないものの......。


　次の瞬間、俺は、首にぬるりと大蛇が巻き付いたような感覚に陥った。

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