120話 ミスった ページ32
.
私は土下座をかました。それはもう、人のお手本になれるくらい、綺麗で美しい土下座を。......土下座の手本なんて嬉しくない。
上から降ってくる「理由は分かってるよな?」的な視線をモロにくらい、私は早口で告げた。
『私の不注意で担任に【鬼殺隊】の存在がバレてしまったことを、深く御詫び申し上げます!!!!』
額を地面に擦り付ける勢いで頭を下げる。
ダラダラと流れ続ける冷や汗が、地面に水玉模様をつくる。
「......お館様にご報告は?」
『既にしております!』
「他の柱達には」
『済ませました!!』
2人からの質問(いや尋問?)にテキパキと答える。
同じ階級なのに、端から見れば激怒している柱とやらかした一般隊士、みたいな図だよね。まあ、私は2人の後輩だからそういう風に見えてもおかしくはないけど。
尋問が済んだのか、2人は無言になった。
止めて無言にならないで。無言が1番辛いの。罵ってくれた方がまだマシ!(Mじゃないからね!)
顔を上げ、キョロキョロと目を忙しなく動かす。
どうする?どうしよう、という言葉で頭が一杯になった時、頭上から「はぁ」とため息が降ってきた。
恐る恐る視線を2人に向けると、さっきよりも幾分か緩んだ顔がそこにあった。
「まぁ、バレちまったもんは仕方ねぇ。今まで隠し通せたのが奇跡だったんだよなァ」
えっ。
「そうだな。生徒が頻繁に欠席・早退を繰り返せば、不振に思うのも無理はない」
えっ。
2人の言葉に、私は動揺を隠せなかった。
だってさっきまで人を殺せそうな程殺気出してたんだよ?それなのに急に優しくなっちゃって......。
『何か変な物でも食べました?』
急な態度の変わりようにキョドっていた私は、ついそう聞いてしまった。
すると2人は、ピクッと眉を上げ、顔に青筋を浮かべた。
あ、これミスったな。
「せっかく許してやろうと思ったのによォ、そんなに俺達に叱ってほしいのかいィ」
「そんな風に緩るんでるからバレてしまうのだろう。柱なのに最近弛んでるんじゃないか?近頃のお前の様子に俺は頭痛がしてくるよ。大体......ネチネチ」
『すみませんんんんんん!!』
ここから1時間、2人からの有り難いお言葉(お説教)をもらいました。
......気合い、入れ直そ。
275人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小桜(プロフ) - 黒姫の夢さん» 心優しいコメントありがとうございます!本当に励みになります。黒姫の夢さんも書いてらっしゃるんですね。応援してます(^-^) (2021年11月19日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
黒姫の夢 - 更新、無理せずに頑張ってください。 とても面白かったです。 私も暗殺教室の夢小説を書いています。 体に気を付けてくださいね? (2021年11月19日 22時) (レス) id: 89b081aabc (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - おもちさん» コメントありがとうございます。更新楽しみにしてくれているのに、全然できなくてすみません……。来週テストが終わるので、その時は沢山更新します! (2021年11月12日 19時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 更新楽しみにしています!テスト頑張ってください (2021年11月12日 19時) (レス) id: 31f3b0e2bf (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - カンナさん» コメントありがとうございます。もうすぐテスト期間に入りますので遅くなるかもしれませんが、精一杯頑張って更新します! (2021年10月30日 12時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:小桜 | 作成日時:2021年10月8日 22時