任務先でぶりっ子始めました ３

１１３話 不公平 ページ25

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「で、１回表からラスボスが登場ってわけ」



いや、ラスボスの登場早すぎ。
どんだけスピーディーなゲームなの。


ラスボスというのは勿論理事長さんのこと。E組に点取られてご登場か。理事長さん、目が据わってます。



《......！！

今入った情報によりますと、野球部顧問の寺井先生は試合前から重病で......、野球部員も先生が心配で野球どころじゃなかったとの事。

それを見かねた理事長先生が急きょ指揮を執られるそうです！》



放送委員......かな？その子がそう伝えると、会場は一気に観客の歓声で包まれた。凄い団結力。


息を吐くように嘘が出てくるんだけど。それで良いのか教師達。


何か理事長さんが話してるんだけどさ、すっげぇ恐いの。あの張り付けたような笑みの裏がどんなものなのか、考えるだけでマジ恐い。


しのぶちゃんのブラックスマイル並みに恐いよ。



《いくつか指示を出して理事長先生が下がりました！！
さぁここからどのように......》


「！！」


『おぉう......マジか』



野球部員の守備位置を見て、私は思わず呟いた。
良かった、周りに誰もいなくて。



《こっ、これは何だー！？
守備を全員内野に集めてきた！！こんな極端な前進守備は見た事ない！！》



放送の通り、野球部員達は守備位置をかなり詰めてきた。バッターとの距離は、大体３メートルくらいかな？


次のバッター......前原君か。......どんまい。



「バントしか無いって見抜かれてるな」


「...ってもダメだろ、あんなに至近距離で！！目に入ってバッターが集中できねぇよ！！」


「ルール上ではフェアゾーンならどこ守っても自由だね。審判がダメだと判断すれば別だけど......、
審判の先生はあっち(・・・)側だ。期待できない」



岡島君の反論に竹林君はそう答えた。


審判もあっち側とか、この勝負はつくづくフェアじゃないね。
審判は贔屓しちゃダメなんだぞ！


不公平 ダメ 絶対！！

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