54話 理由 ページ9
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『おはよぉございまぁす!遅れてすみませぇ──って、あれぇ?』
その場に似つかわしくない、ふわふわと浮いた甘ったるい声が聞こえた。
『もしかしてぇ、ヤバぁい時に来ちゃいましたかぁ?』
「「原因は君だけどね!!」」
『ふぇ?』
訳が分からないと言った風に、友田さんは首を傾げた。ガララッと扉を閉め、中に入ってくる様子を皆で見つめていた。
『(え、何でこんなに見られてんの?何かしたっけ私?はっ、もしやモテ期か......?
いや、それはないか)』
「Aさぁぁぁぁぁん!!良かった、来てくれたんですね!!」
『え、そりゃあまぁ。私がぁ行くって言ったんですからねぇ』
「だって時間になっても来ないから!!」
「殺せんせーうるさいっ!友田さんが困ってるでしょ!」
涙をボロボロと溢しながら友田さんを問い詰める殺せんせーを、岡田さんが一喝。
これには友田さんも苦笑い。
『すみませぇん。ちょっとぉトラブルがあったせぇでぇ』
「トラブルってどんな?」
『えっとですねぇ....』
前原君に聞かれた友田さんは、右手の人差し指をこめかみに当てながら、思い出すように話し始めた。
───────────
※皆に説明しているのはAちゃん達の行動だけで、Aちゃんの心の声は言っていないです。
Aside
いっけなーい、遅刻、遅刻〜!
私、友田A。ピチピチの中学3年生!椚ヶ丘中学に通う、至って普通の女の子!
だけど私のクラス──E組は少し変わったクラスなの。
私の学校生活、これからどうなっちゃうの〜!?
ごめん、このノリを1回してみたかったんだ。この1週間、睡眠を全然取ってないからテンション可笑しいんだ。毎日が深夜テンションのようだ!!!
『って!!悠長にしてる暇なんかないよ、遅刻なんだってば!』
謎にキレながら通学路を走る私。一般人もいるから本気じゃ走れないのがマジ残念。
不便だな〜、とぼやきながら次の角を曲がった時。
「わっ!」
『うっ──キャ!』
お決まりのように誰かとぶつかってしまった。
てかあぶねぇ。後少しで女子らしかぬ声を発してしまうところだった。
「いてて......」
『あっ』
同じ目線に、私よりちょっと年上っぽい男性がいるのが分かった。あ、この人にぶつかっちゃったのね。ごめん。
あっ、もしかしたらこれは少女漫画でよくあるパターンの???あれじゃないですか??
少女漫画読んだことないけど。
『す、すみませぇん。おけ──』
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小桜(プロフ) - 猫耳パンさん» こちらの方でもコメントくださり、本当にありがとうございます😃大好きと言ってもらえて嬉しいです! (2021年11月26日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
猫耳パン - この作品大好きです。 これからも頑張ってください。 (2021年11月26日 22時) (レス) @page14 id: f830ddeebe (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - コメントありがとうごさいます。凜ちゃんの生みの親としてとても嬉しいです! (2021年11月7日 20時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
こぐら - とっても面白いです!凛ちゃんのキャラが個人的に好きです。可愛い...! (2021年11月7日 20時) (レス) @page44 id: c60a472fe3 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - せせせせせええええええええええええさん» とっても嬉しいコメント、ありがとうございます!毎日更新できるように頑張ります! (2021年10月3日 20時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小桜 | 作成日時:2021年8月24日 22時