検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:123,482 hit

59話 お届けもの ページ14

.


そう、サラリと言ってのける彼を筆頭に五英傑はニヤリと笑い、周りはクスクスと笑い始めた。

ここに来てもE組差別は存在する。2人しかいない分、追うダメージも大きい。


''居心地が悪い''


磯貝と片岡のそんな気持ちが膨れ上がった時。


コンコン


そんな軽やかな音が聞こえてきた。

一気に扉に集まる視線。誰かが訪ねてきたのだ。


「誰だ?」


ギュッと眉間にしわを寄せ、不審そうにし聞く浅野。
その問いに答えるよう、扉の外から声が聞こえた。

本校舎の生徒には聞き覚えのなく、E組生徒には非常に聞き覚えのある、あの声が。


『すみませぇん。E組の者ですけどぉ』

「な......、何の用だね?」


浅野は、その語尾を伸ばすような喋り方に口元を引くつかせながらも、彼女──友田Aに問いかけた。


『磯貝君達のぉ忘れ物を届けぇに来たんでぇす』

「そ、そうか...。入ってくれ」

『はぁい!しつれぇしまぁす』


ガチャ、とドアノブに手がかけられ、入ってきた。彼女はいつものようにニコニコと顔に笑顔を浮かべながら、書類を渡すべく、磯貝達に近づいた。

磯貝達はその様子を、目を大きく見開きながら見ていた。



Aside


成り行きで届けることになった、何かしらの書類。文面からして会議に必要そう、ということになり、誰かが届ける。そうなったのだが...。


「私パース」

「俺もー」

「私も。
ごめんね、本校舎には行きたくないんだ」


そんなことを言う人が続出。ま、当たり前と言えば当たり前だけど。

そんなこんなで、誰も行きたくないと言うからどっちでも良い私が行くことになったわけ。

THE・初めて(?)のおつかい。

てかさ、私が入った瞬間この部屋の気温がマイナス50℃位下がった気がするんだけど、気のせいかな???

冷めたような視線を送る本校舎の生徒を一瞥しながら、我等が学級委員の磯貝君と片岡さんのところへ行く。

2人とも未だに目を開いたまんま、微動だにしない。なに、冷凍でもされてんの??


『はい、これぇ。必要な物なんでしょぉ?』

「あぁ......ありがとう」

「助かったよ...。ところで、どうして友田さんが?」


私が話しかけたとこによって、2人は解凍されたようだ。


『特にぃ理由はないよぉ?誰も行きたがらないからぁ、消去法でぇ』

「な、なるほど......?」

「そう...。まぁ、何はともあれ持ってきてくれて本当に助かったわ。ありがとう」

『うぅん、だいじょーぶだよぉ』

60話 あ...浅野?→←58話 忘れた書類



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (148 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
299人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

小桜(プロフ) - 猫耳パンさん» こちらの方でもコメントくださり、本当にありがとうございます😃大好きと言ってもらえて嬉しいです! (2021年11月26日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
猫耳パン - この作品大好きです。 これからも頑張ってください。 (2021年11月26日 22時) (レス) @page14 id: f830ddeebe (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - コメントありがとうごさいます。凜ちゃんの生みの親としてとても嬉しいです! (2021年11月7日 20時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
こぐら - とっても面白いです!凛ちゃんのキャラが個人的に好きです。可愛い...! (2021年11月7日 20時) (レス) @page44 id: c60a472fe3 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - せせせせせええええええええええええさん» とっても嬉しいコメント、ありがとうございます!毎日更新できるように頑張ります! (2021年10月3日 20時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:小桜 | 作成日時:2021年8月24日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。