任務先でぶりっ子始めました

２０話 修学旅行について ページ23

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『ふぇ？修学旅行ぉの班？』

「う、うん。決まったら学級委員の俺か片岡に伝えてくれると助かるよ」

『分かったぁ。わざわざぁ、ありがとねぇ』


磯貝君が去っていくのを見送り、修学旅行について考える。

修学旅行かぁ。そういやそんなこと、この間実弥さんが言ってたような...。

私と同じ班になってくれる人とかいるのか？いないよなー、ぶりっ子だし。

どーしよー。学生のイベントで１番楽しい修学旅行でボッチとか笑えないんですけど。

それだけは回避したい、とあれこれ悩んでいるとタコせんせーの声がした。


「まったく...。３年生も始まったばかりのこの時期に総決算の修学旅行とは、片腹痛い。
先生、あまり気乗りしません」

「「ウキウキじゃねーか！！」」


うっわ、なにその荷物の量。タコせんせーが１番楽しみにしてんじゃん。


「たかだか修学旅行に荷物デカすぎ！！」

「明らかに必要のない物入ってるし！！」


こんにゃくとかいらないだろ。


「...バレましたか。正直先生、君達との旅行が楽しみで仕方ないです」


修学旅行だもんねー。タコせんせーが浮かれんのも分かるわ。うんうん。


......あれ？私ってそもそも修学旅行行けるの？


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


体育の時間。生徒達はグラウンドに集まり、烏間先生の話を聞いていた。私はというと、１度烏間先生と対戦(とも言えない手合わせ)をしたきり、体育には参加していない。今は皆から見えない位置で話を盗み聞きしている。


「知っての通り、来週から京都２泊３日の修学旅行だ。君等の楽しみを極力邪魔はしたくないが、これも任務だ(・・・・・・)」


ふむ。その言い方からすると、京都でも暗殺なのかな？


「...てことは、あっちでも暗殺？」

「その通り。京都の街は、学校内とは段違いに広く複雑。しかも...君達は回るコースを班ごとに決め、奴はそれに付き添う予定だ。
狙撃手(スナイパー)を配置するには絶好の場所(ロケーション)。既に国は狙撃のプロ達を手配したそうだ。
成功した場合、貢献度に応じて百億円の中から分配される。暗殺向けのコース選びをよろしく頼む」

「「はーい」」


いいなぁ、楽しそう。私もあの輪に入りたいっ！けどそれは無理だ。ぶりっ子してるから入れてもらえない！クソゥ。

その前にお館様に修学旅行に参加していいのか、訊ねないといけないねぇ。

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