検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:99,342 hit

第弐話 ページ5

其から二年間がたった。

幸せが壊れるときにはいつも

血の匂いがする


私は安心しきっていたんだ。
心の何処かで当たり前のように思っていたのかもしれない。
此の幸せは壊れることはないと。
此の幸せがいつまでも続くとは
限らないのに。

学校からの帰り、途中で友達と別れ、帰路を辿っていた。
人集りが出来ていた。
私の家の方だった。

どうにも嫌な気配が、予感がする。
頭の中で警報が鳴止まない。

急げ、と。
危険だ、と。

嫌な匂いがする。
あの時の悪夢のような、匂いが。

・・・血の、匂いが。


家に入ろうとすれば何処から来たのか、ヒーローが止めてくる。

ヒ「君!ここの家の子供かい!?今中に入っては駄目だ!」

『何故?だってここは私の家だよ?』

ヒ「中には敵が居るからだ!」


・・・敵?
敵、敵?

敵が家の中に?
無個性の私を家族に迎え入れてくれた、優しい人たちが居るあの家に?

それからは早かった。


私はヒーローの制止も聞かず、家の中に飛び込んだ。
幸いうちは私が使うからと玄関には木刀が置いてある。
それを引ったくるように掴み、家の中の匂いが強い所へ向かった。


匂いの発生源は居間だった。
家族の団欒をするときに集まる想い出の詰まった大切な居間。

扉を開けると目を疑うような光景が広がっていた。

大きな血溜まりを作りその中心に倒れる父。

何者かに掴まれ血だらけになっている母。

そして、
血だらけの母を投げ棄てて此方を向く憎き相手。
"鬼"


私は急いで2人の元へ駆け寄った。
父の方は既に息を引き取っていた。
息も絶え絶えな母は此方に何かを伝えようとしている。
今にもその生命の灯火は消えようとしていた。


そこからはもう、あまり詳しくは覚えていない。
私は只、一心不乱に手元にある木刀を振るい続けた。


また、大切な人を奪われた恨みを晴らす様に。
また奪われた弱き自分への怒りを晴らす様に。


鬼を切り裂き、追い詰め、屋敷が壊れていくのを気にも留めず、鬼を日の光の元へ飛ばし、消滅させた。


鬼を殺し我に帰った私は急いでまだ、息のある母の元へと駆け寄った。


『ママッ!大丈夫!?お願いだから死なないでッ!置いて逝かないで!』

結「Aちゃ..ん...無..事?」

『私は大丈夫だからッ!怪我だってしてない、から!私より自分を心配してよッ。』

第参話→←第壱話


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーキャラ

プロヒーロー サー・ナイトアイ


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (134 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
326人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雪雨 - 梅ちゃん可愛い! (2020年5月27日 20時) (レス) id: 018abbf0f2 (このIDを非表示/違反報告)
- 梅ちゃん、来たー。 (2020年5月25日 22時) (レス) id: 0f7176d954 (このIDを非表示/違反報告)
芽濃琉/メノル(プロフ) - ゆでめんだこさん» ありがとうございます!私の妄想でしかないんですけどねww楽しみにしてて下さい! (2020年5月25日 21時) (レス) id: 5e032c8507 (このIDを非表示/違反報告)
ゆでめんだこ - ヒーローじゃない系初めて見ました!これからの展開が楽しみです! (2020年5月25日 20時) (レス) id: ae6073fefe (このIDを非表示/違反報告)
芽濃琉/メノル(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます!これからも面白いと思って貰えるよう頑張ります! (2020年5月24日 21時) (レス) id: 5e032c8507 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:芽濃琉/メノル | 作成日時:2020年5月21日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。