使者の調べ (ページ43)

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story41★ ページ43

アリシア「美味しかった～……ごちそうさまでした」

ヴィトル「おまえ、迷子になってる間に何食べてんだよ」

ヴィトルの機嫌が少し悪い。

理由は私もよく分かってる。だけど無事に会えたんだから許してほしい………

カリム「ヴィトルさんも食べますか？カルネはこの店自慢の料理なんです」

ヴィトル「え、あぁ、じゃあいただこうかな…」

ヴィトルがそういえば、カリム君は店の奥へと走っていった。

その様子を見てカリナさんは嬉しそうに笑った。

カリナ「カリムは…一時期スランプで、うまく料理が作れないって悩んでたんです。

でも…あんなに楽しそうに料理してて……よかった」

ヴィトル「……仲良いんだな、おまえら双子」

カリナ「どこがですか！？」

それはもう、全部かな？って答えてあげたかった。

カリム君のことを語ってるカリナさんの顔は本当に優しそうな顔だった……、口ではあんなことを言ってるけど、心の中ではきっとお互いがお互いを思ってる。

カリム「お待たせしました、カルネです。冷めないうちにどうぞ」

ヴィトル「おっ、旨そうだな、いただきます」

そういって、ヴィトルがカルネを口に運んだ時………

"ドゴォッッッ"

「「「！！！？」」」

ヴィトル「うぐっ！！？」

建物が……大きく揺れた。

それと同時に、外から大きな音も聞こえてきた。店の中からじゃ、外でなにが起こったかはわからない。

アリシア「何があったんだろ……」

ヴィトル「ゲホッ、ゲホッ……あの音の大きさからして……ゲホッ、相当のことだろうな……ゲホッ」

アリシア「……大丈夫？ヴィトル」

ヴィトルはあの音に驚いてカルネをつまらせてしまだたらしい。相当咳き込んでいる。

そして、ヴィトルは水を一気に飲み干すと立ち上がった。

ヴィトル「とりあえず、見に行った方がいいな、場合によっては逃げる必要もあるかもだし」

アリシア「そうだね、私たちが見てくるから……カリム君たちはここで待ってて」

私たちの言葉に、2人は顔を見合わせる……

カリナ「どうか、お気をつけて」

カリム「無理はしないでください」

その言葉を聞いて、私たちは頷き合い……店の外へと駆け出した。