story38☆ ページ40
カリムに連れられて人混みの中を進んで行くと、一件の小さなかわいらしい建物が見えてきた。赤レンガの壁に緑がかった青い屋根、木の看板には小さく「OPEN」とかいてある
カリムが慣れた手付きで金のドアノブを回すと、中にはたくさんの人がいた。
カリム「カリナ〜まだ席あいてる?」
カリナ「いらっしゃいませ!レストラン・リナリムへようこそ!ちょうど奥のテラス席がひとつ空いたわ」
アリシア「ええっ!?カリム君が2人いる!!」
カリム「あははっ、違いますよ。こいつは妹のカリナです。双子なんでよく間違われるんですけどね」
カリナ「あら、カリムったら早かったじゃない。グランおばさん家のクッキーはまだあったのね!」
カリム「あ···」
カリナ「はやく食べたい!お客さん多くて、ひとりで店番するの大変だったんだから。ねえ、今年はどんな味だったの?」
カリム「いや、う、売り切れちゃってたんだよ」
カリナ「どうせお店見てきてくれてないんでしょ!まーた約束破ったな!!」
カリム「いひゃい、いひゃい!ほっへはふへははいへほ〜」
カリナ「約束破ったんだもん、ほっぺたくらいつねるわよ」
アリシア「あの···」
カリナ「あら、ごめんなさい!今、席に案内しますね」
アリシア「ああ、えっと、そうじゃなくって、クッキーってもしかしてこれ···?」
そういえば、さっきヴィトルとお祭りをまわっていたときにクッキーを買って、ポケットに入れっぱなしにしてたんだった
カリム「ほへへふ!」
カリナ「それです!」
アリシア「たくさん入ってるから、半分あげようか?」
カリナ「わあ、いいんですか!ありがとうございます!あなた、名前は何というのでしたっけ?」
アリシア「あ、アリシアです」
カリナ「アリシアさんね!一生忘れないわ、ありがとう!」
アリシア「一生って···そんな大げさな」
カリム「こいつの口癖だよ。僕だって何回一生のお願いをされたことか···」
カリナ「うるさいわね。よーしカリム、特別メニューのアレ、とびっきりおいしく作ってきなさい!」
カリム「わかったよ、まかせて!」
カリナ「お客さんも空いてきたことだし···あたしはおばあちゃんにクッキーおすそわけして、ついでに庭のハーブ取ってくるわ」
カリム「いってらっしゃーい」
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作者名:セレーナ・ラフィーネ&しろーん x他1人 | 作成日時:2018年2月15日 15時