story23★ ページ25
ヴィトル「アリシアは……何で風の国に来たんだ?あー、言いたくなかったらいいんだ、無理には聞かねぇ」
アリシア「………ヴィトルが雲の国出身なら知ってるよね、今は陽の使者と星の使者の争いが絶えないって」
私は重い口を開いて語った……そして、私の言葉にヴィトルは静かに頷いた。
アリシア「私は空の使者なんだけど……」
私はそこで言葉を詰まらせた。すると、ヴィトルが私の肩に手を置いた。
そして、静かに首を横に振る。
ヴィトル「それ以上は言わなくていい、大体わかったから………辛かったんだろ?」
その言葉に私は俯いた。
ヴィトルは何で、こんなにも察しが良くて……気遣いが上手いんだろう。それにちょっと涙が出そうになった。
アリシア「お母さんも…捕らえられているの、私が助けなきゃ」
ヴィトル「そうか……なら、ヴァルターが見つかったら、アリシアの母さんを探しに行くか」
私は驚いて顔を上げた。だって、ヴィトルの口からそんな言葉が出てくるなんて思わなかった。
アリシア「え、え、何で……」
ヴィトル「なんか、許せねぇんだよな、そういうの。争いに巻き込まれた奴が苦しむなんてあってはならねぇ」
ヴィトルはちょっとふざけたところもあるけど、実は正義感が強くて……本当に良い人なんだと思った。
ヴィトル「だから、俺も負けたくねぇんだ、だから行こうぜ、助けに」
また、涙が溢れそうになった………ヴィトルのその言葉に、私は強く思った。
そう思ってくれている人がいる、私はそういう人たちと共に……争いを無くしていきたい。私のように争いに巻き込まれた人を救いたい。
アリシア「ありがとう、ヴィトル」
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作者名:セレーナ・ラフィーネ&しろーん x他1人 | 作成日時:2018年2月15日 15時