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story14★ ページ16

目の前に広がるのは"眠りの樹海"。ここは、私とあなたが出会った場所。今となってはもう思い出。だから……その思い出を取り戻すために、私は旅に出る。


私は眠りの樹海へと背を向ける。雲の国(クルム)にはしばらく戻らない。オスカーを見つけるまでは。


私は一歩先の未来へと歩き出した。まだ見たことのない、幸せな未来が待っていると信じて………





それから私は歩いた。歩いて…時々休んでまた歩いて………それでも、人や建物さえも見つからない。辺りには鳥が飛び、虫の声が聞こえるのみだ。

風の国(ヴャトル)は……雲の国(クルム)とはだいぶ違うのね。


しばらく歩くと、小鳥の鳴き声や虫の声も聞こえなくなった。本当の静寂とはこういう事を言うのだろうか。





アリシア「オスカー…本当にどこ行ったの?」





自分一人がここに取り残されてしまったのではないかと思うほど、ここは静かすぎた。静かなのは嫌いじゃないけど……今は静かなのがとても怖かった。


ひとりにしないで、置いていかないで……そんな思いばかりが心の中に渦巻いていた。あの、争いから逃げてきた時のようだ。





アリシア「………。」





私は少し苦しくなってしゃがみ込んだ。そして大きく深呼吸をして顔を上げると……少し遠くに家がぽつんと建っているのを見つけた。


あぁ、やっと見つけた。たったひとつだけど希望が見えた気がした。





アリシア「失礼します………」





恐る恐るその家をノックして覗くも誰も出てこなくて、私は申し訳ないと思いながらもその家へと入った。


入ると、そこに写真を見つけた。そこには見覚えのある顔が写っていた………この人は





アリシア「私を助けてくれた医術士?」





私はその写真を手にとって見る。そして私は確信した。


その時………





「誰かいるのか?」





その声は、オスカーでもましてや医術士の声でもなかった。私の肩がビクリと跳ね上がった。





「おい、誰かいるのか?」





その声はだんだんと近づいてくる……私はとっさに隠れる場所を探した。しかし、時はすでに遅く………





「「!!」」





私たちは顔を見合わせた。これこそが、私の旅の始まり。

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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:セレーナ・ラフィーネ&しろーん x他1人 | 作成日時:2018年2月15日 15時

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