家に帰ろうと思ったら拉致されました 続【オリジナル】

53話 ページ6

玲奈「…はい。了解しました」


秋人から連絡だ。


どうやら彼女が見つかったらしい


玲奈｢(それにしても、すっごく焦っていたな)」


ダイゴを呼びに向かいながら考える


秋人は誰よりも努力しここまで来た一人


彼女は重要人物ではあるが所詮少女である


玲奈「…(…また、出世の事なのかな)」


いつも言ってた


この世は能力の世界だって


玲奈「…(でも、この街に彼を認めない人はいるのだろうか)」


今やミア様と肩を並べるほどに成長してしまった


幼馴染の私達はついて行くのがやっとだと言うのに


玲奈「…まだ、囚われているの」


思わず呟いてしまったその言葉は虚しく消えた


ﾄｺﾄｺﾄｺ


玲奈「あ、ダイゴー！！！」


今はまだ


ダイゴ「お、玲奈。

こっちもロンガさんと今合流したとこじゃ」


忘れていよう


*☼*―――――*☼*―――――


秋人「…」


何なんだこの重い空気は


獣「ｶﾞﾙｯ？(どうした？何を怯えているのだ)」


ぎゅっと獣ちゃんの毛を掴む


貴『(怖い。


避け続けた私も悪いけど…)』


昨日逃げ出したあの日から私と彼らは一緒には居られない


貴『…ﾀﾞｷｯ』


どうしても、



獣「…ｽﾘｽﾘ」

……………………

ダイゴ「…さないと、いけないんじゃ」


秋人「…」


あの、冷たい目が


貴『ｷｭｯ』


私を襲う


秋人「はぁ」


貴『ﾋﾞｸｯ』


秋人「…そんなに怯えなくてももうすぐ来る


大人しくしていろ」

…………


ﾋﾞｭｯﾝ


ｽﾀｯ


玲奈「…到着！」


ダイゴ「い、痛い」


ロンガ「…」


貴『あ、来た』


しばらくすると上から玲奈 ダイゴ ロンガさん

の順に降りてきた


獣「…ｸﾞﾙﾙﾙ…」


貴『この人達はいい人だし大丈夫』


威嚇する獣ちゃんをなだめ


私は玲奈に獣ちゃんの治療をお願いした


玲奈「…え、えっとHeal」


ふわふわとした光が獣ちゃんを包む


段々と怪我が治っていく



貴『…よかった』


玲奈「…？(なんだろうこの子？)」


ロンガ「…サーヴァントウルフ？何故ここに」


秋人「…こちらも把握していないので何とも言えないです」


玲奈に獣ちゃんの怪我を治してもらい


歩き始める



ロンガ「…お前は大丈夫なのか？」

…え？

貴『…私は全然。

ありがとうございます』


その言葉を言うとロンガさんは

またすたすたと行ってしまった


…



貴『(あれ？…)』


視界が歪む


獣「ｶﾞﾙｯ(主人！！)」



私は意識を手放した

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