家に帰ろうと思ったら拉致されました 続【オリジナル】

57話 ページ11

獣「…説明しようか」


と獣ちゃんがぐいっと前に出た


…何か知ってそうだもんね


みんなはじっと獣ちゃんを見る


獣「…これはそちらのおなごが言ったように



絶滅したと言われていた賢者の石」


獣ちゃんが話し出すとみんなが緊張した雰囲気になる


…


ミア「どうして今彼女の元に…？」


震えた怖がっているような声で獣ちゃんに問う


獣「…それはこやつに聞いた方が早いかもしれんな」


ｺﾝｺﾝ


そうして獣ちゃんは石を叩く


ｼｰｰｰﾝ


獣「…主人こやつを叩いてくれまいか」


くるっとこちらを向いて話す獣ちゃん


貴『え？うん』

言われるがままに私はｺﾂｺﾂと石を叩く


すると…


淡く綺麗な光が濃くなっていく


？「ドウサレマシタカ」


石から声が


この声は何度も私にかけていたあの声だ


獣「…何故主人を選んだのだ石よ」


獣ちゃんが石に問う


しばらく沈黙が続く


貴『あの、私も教えて欲しいです』


もしかするとと思い私も聞いてみた


？「…アナタシカモウイナイトオモッタカラデス」


ミア「？


貴方しかもういない？それはどうゆう事？」



沈黙


貴『あ、あの。私しかってどうゆう事ですか？』


？「コトバノトオリデスヨ」


機械音のような声で話す


というかめんどくさいな


ミアさんも獣ちゃんも思うことがあるのか


さっきから強い視線をこちらに送ってくる


？「アナタハコノコニスルノデスカ？」


声が問う


何度も聞かれたそのセリフ


…契約のことだろうか？


貴『この子って獣ちゃんのことですか』


？「ハイ」


契約…の事だよね


でも私はそんな力…


？「…アナタハケイヤクハハジメテナノデスネ」


こちらを見るように話す


…口にだしてたのかな


？「ワタシトアナタハイッシンドウタイ


コレグライアタリマエデス」


私のことを悟るようにいう


……なるほど、わからん


？「ドウスルノデスカ」


私の言葉を皆が待っている


…私は


貴『…契約する気はないです』


皆んなが驚いたような顔をする


獣「？！？！何故！


主人は私と契約したくないのか？」


獣ちゃんが仕切りに何故！何故！と言いながら


グリグリと頭を押し付けてくる


……当たり前だ


貴『私は”貴方を守ってあげられない”


そんな私が貴方と契約は出来ない』


静かに時が流れる


……そう


獣ちゃんはいい子だし


出来ることなら私だって契約したい



でも、まだ

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