thorn ページ24
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休憩を挟み行なった、2部の握手会。そこでも温かい言葉をファンの人達から頂いたのだが。
数分して私の前にやってきた女の子。制服を着ていたから高校生のようだった。
私の前まで来ると顔を顰め、手を出そうとしない彼女。不思議に思いながらも、ニコリと微笑むと、うざ。ポツリと彼女はそう言った。
『・・・あの、今日はありがとう』
「武者回ってないくせに、ぽっと出がジェネやってんじゃねえよ。」
『・・・』
すぐにスタッフさんに引き離された彼女は、会場を出ていった。
言葉が出てこなくて、何も言うことが出来なかった。
そっか。
私の事、よく思ってない人がいるのも知ってた。
ファンレターでそういった内容の手紙が届くこともあった。
でも、こうやって面と向かって言われると結構、・・・つらいなあ。
私なりに頑張ってるつもりだし、その分人よりも努力しないといけないって思ってる。でも、まだその頑張りが足りなかったんだ。
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隼「A、大丈夫?」
『ん?なにがー?』
その日と握手会が終わり帰る準備も終え、楽屋を出ようとした時に、後ろから大きなカバンを持った隼が声をかけてきた。
隼「いや、隣でしょ、俺」
『うん?』
隼「聞こえてた、あれ」
『ああ〜』
ポリポリと頭を掻きながら言う隼。知ってるよ、照れ隠ししたり心配してくれる時にいつもする癖。
小さい頃から一緒にダンスしてきて、私が落ち込んでる時にすかさずやって来て心配してくれて励ましてくれたのはいつも隼だった。
『大丈夫!私の事好きな人ばかりじゃないの、わかってるから』
隼「うん、、俺もたまに来るよ、そういう手紙。やから、気にすんなよ」
『うん!ありがとね、』
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ゆうき(プロフ) - すごく面白いです。これからどうなるのか気になります。 (2020年9月13日 19時) (レス) id: 56d6dad4f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めいこ | 作成日時:2018年8月9日 22時