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河原の辺り。
.
俺は、女の子とじゃれ合いながら
歩いている。
.
“ね、石積みしよ？”
“石積み？いいよ”
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大きな石を探しながら
河原を歩く。
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次の瞬間…
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“あっ…！！”
.
バシャバシャ、水を叩く音。
ブクブクと浮かぶ気泡。
.
.
“A！”
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俺は初めて、その子の名前を呼んだ。
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……え？A？
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……あ、そうか……
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“雪乃A”
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それが、あの女の子の名前だ。
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俺の、幼馴染、だった…
.
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向『…め、……めめ、めめ！！！』
康二の呼ぶ声で、ハッと我に返る。
辺りを見渡せば、康二が心配そうに
顔を覗き込んでいる。
.
向『めめ、大丈夫か？…ずいぶんと、
うなされてたで。…怖い夢、見たん？』
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…ううん、あれは夢じゃない。
無くしていた、あの頃の記憶…
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‘話さなきゃ’
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何故か、そう思った。
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向『めめ、まだ安静にしてなあかんよ！！』
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飛び起きた俺を止めようとしたけど
そんなの無理ってことは、
こいつはよく知ってる。
.
ごめんな、康二…
康二に支えられながらリビングへ行くと
岩本くんの声が聞こえた。
.
『目黒が落ち着くまで…待ってくんね？』
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作者名：みぃ。 | 作成日時：2020年9月17日 12時
