君は僕の天使 (ページ23)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:69,727 hit

21 ページ23

shota side

……、A、ちゃん？

.

いつだったか、
寝る前に、水を飲もうとリビングに
降りて来ると、ソファに腰掛けたまま
何かを眺めているAちゃんがいた。

『A、ちゃん…？』

「…あ、渡辺さん…」

『どうしたの？大丈夫？』

そう聞いたのは、彼女の目元が
涙で光っていた…ように見えたから。

　

「…あは、いやだな、渡辺さん、何でもな…」

『…そんな顔してて、
何でもないわけ、ねーじゃん！』

「…！」

思わず、Aちゃんの腕を掴んで
こちらに振り向かせたら

Aちゃんの手から、ﾊﾗﾘと落ちた‘それ’。

『…あ、ごめん、つい…、…大丈夫？』

　
Aちゃんは慌てたように‘それ’を拾うと
悲しそうな目をしたまま小さく頷いた。

「…ありがとうございます…でも…
大丈夫です…、ごめんなさい、心配させて…」

そう言うと、Aちゃんはおじぎをして
リビングを出ていった。

『……』

Aちゃんが目を潤ませて
見ていた‘それ’
慌てて拾い上げた‘それ’は…

小学生くらいの男の子と女の子が
笑顔で写っている写真、だった。