1話 対照的な二人の出会い em side ページ2
それはとある日の事だった____
ﾓﾌﾞ「ははっそれがよぉw」
ﾓﾌﾞ「なんだそれw」
ｴﾐ「っ……」
は、はぁ。…なんだ、人の声、か……
心臓がばくばく鼓動している。
コミュ症で引きこもり気質だった私は、久しぶりの外出でさえ酷く緊張していた。
ｴﾐ「……………ッ、え？」
気づいたときには目からぽろぽろ透明な雫が落ちていく。それがなんなのかは数秒もすればわかった。
つんと鼻を指すように熱を持っていく瞳と、外気に冷やされ冷たくなってしまった塩水。
私は今、泣いている。
………………なんで？悲しかったわけでもないし、嬉し泣きでは、絶対にない。
自宅に食料がなくなってしまったから買い物をしに久しぶりの外に出ただけなのに、人が怖く、感じてしまった？
どれだけ目を擦っても、泣き止まない。むしろどんどん目から涙が溢れ落ちていく。
そんな私をどうしたんだとでも言いたげに見ている人々の視線さえも、恐怖に感じてしまっていた。
ｴﾐ「………………もうはよ家帰r」
「大丈夫っすか〜？」
ｴﾐ「えっ……？」
声のした方へ顔を向けるとそこには一人の男性がたっていた。
パーカーを深く被っていて、影で隠れてしまっている瞳が、私の目を捉えている。
「え？いや、だって泣いてますし………。何かあったんですか？良ければ話聞きますよ。」
ｴﾐ「…………い、いえ！何も！」
「ふぅん………。でも、目元赤くなってますよ」
ｴﾐ「あ…………」
「辛いことあったんすよね？何があったん？」
彼は、心配そうに顔を覗き込んでくる。
やめろ、そんな顔で見ないでくれ
ｴﾐ「………………本当に、なんでもないので……」
「……………そっすか。すんません無理に聞いて！野暮でしたね。」
少し気まずい空気が流れた。
周りに居た人達も、こちらを見て何やらざわつき始めている。
そんな中、その男は知ってか知らずかにんまりと広角を上げ、さっきと変わらず元気な声で話しかけてきた。
ｿﾞﾑ「俺ゾムって言います！ここで会ったのも何かの縁ですし一応覚えとってください！それでは！失礼しました！」
ｴﾐ「は、はぁ……………」
嵐のような人だった。その勢いに圧倒され、目線をしたにやる。
ｴﾐ「……あ、私の名前、…………」
まだ居るかなと顔をあげ周囲を確認するも、彼の姿はもう、どこにもなくなっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：清水・透 x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年8月9日 19時
