腐男子は見るだけで結構です【オリBL】

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そんな俺にも推しCPというものはいる。







「せんぱーい！」

「お、また？明菜」







あぁぁあああ！
朝からありがとうございます！！




そう。


この先輩と呼ばれてる、秋川凛。

明菜と呼ばれてる、春宮明菜。



この二人が俺のこの学校での推しだ。





秋川凛という男は、二年でバスケ部次期エースと期待されてるイケメン。性格は明るく穏やかな俺的には受け。




春宮明菜という男は、俺と同じ一年で女子からも大人気のバスケ部だ。かわいいあざとい性格で秋川先輩によく抱きついてる。俺的には攻め。





この二人のCPをとてつもなく愛してる。
俺の性癖にとても刺さるからだ。年上受けに可愛い系攻め。尊いしか言葉に出来ない。




しかもこの二人、学年も違うのに常にイチャイチャしちゃって、どんだけ好きなんだよ！ありがとうございます！！



とにかく、二人を見る事が俺の唯一の楽しみだ。









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「隣、座ってもいい？」

『どうぞ、っ』







え、な、何で秋川先輩が俺の隣に！？

遂に幻覚まで見れるようになったのか？頬を抓っても痛くない。つまりこの人は本当に三次元。推しが俺の近くにいるなんて、マジかよ！





現在どういう状況かというと、俺の所属している図書委員会により放課後図書室に集まる事になったのだ。


席順は自由だけど普通は同級生と座る人が多い。なのに他人の俺となんて……これは、きっと出来すぎた夢だ。うん。







「冬木くん、だよね？」

『あ、は、はい』







え、俺の名字知ってもらえてる！？
嬉しすぎる。推しに認知されてるなんてもう死んでもいい。

ありがたや……と両手を合わせて感謝した。すると、また秋川先輩が話しかけてきた。








「良かったらさ、俺と一緒に当番しない？」

『え、な、何の？』

「さっき、委員長が週ごとに二人ずつで図書室の当番をしなくちゃいけないって話してたんだけど……」

『あ、ああ！す、すみません！！聞いてなくて』









うわ、一生の恥だ。
今穴があったら入りたい。いやまだ秋川先輩の顔を見つめたい。

せっかく話しかけてくれてるのに、その話題にも話を合わせることができない俺って本当に馬鹿の極みか。


自分の馬鹿さに反省していると、隣からふと笑い声が聞こえた。







「ぷッ、そこまで謝らなくてもいいよ。面白いね君」








……その笑顔、守りたい。



結果、俺達は一緒に当番をすることになった。









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