あぁ、描きたいほどに....3【斎宮宗】

冬の知らせ ページ7

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冷たい風で窓が揺れる


まるで寒さで震えているようだ


冬の空気に花たちは縮こまり


集まって


暖を取っている




庭のミモザの枝が


昨夜の雨で凍ったまま


太陽に照らされて輝いていた


寝巻きの上からストールを羽織って

ソファに座り、ホットココアに口をつけた。


｢はぁ......｣


暖かいベッドから 何とか脱出し

2階の自分の部屋から

1階のリビングまで降りてこられたが、

やはり寒い。


『おはよう A』


同じく寝巻きにストール姿の彼が

ミルクティーを片手にソファに座った。


｢おはよう 宗｣


フランス 花の都、パリ


ここに帰ってきた私たちは同じところに住むことにした。

パリの借りている部屋と日本の寮を行き来している彼、

1人で住むには広すぎる家をパリに持つ私。

宗は部屋を借りたが

いない間も家賃を払うのは勿体ないと考え、

広すぎる私の家へと移動したのだ。

もちろん部屋は別々で、

使っていなかった部屋を掃除し

彼のアトリエとして使っている。

祖母の部屋は、彼女が帰って来れると信じて

そのままにしてある。



｢昨日言ってた集会みたいのどうだった?｣


彼は、芸術的知識をもっと蓄え

幅広いを美を研究するため、芸術家が集まる会に参加していたのだ。


『特に得られたものはないけれど勉強にはなったのだよ』


そう言って、ミルクティーを一口飲んだ。

芸術家として1歩出遅れた私は、

何かしなくてはと焦りを感じながら

ホットココアを飲み干したのだった。

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