あぁ、描きたいほどに....3【斎宮宗】

寝起きは注意 ページ18

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身体、特に首が痛くて目が覚めた。


『…………き…………ま…………』


どこからか、いや近くから宗の声がする。



｢………………?｣



ぼんやりとした視界の中、強い日差しに目を歪めた。



｢………………?｣



脳が正常に機能しないまま

ゆっくりと上半身を起こし、空気を吸って吐き出した。

まだ、覚醒するのには時間がかかるようだ。


それにしても、右半身が痛い

しかも座っているのはソファだ。


あ、昨日 あのまま寝てしまったのだろうか

ブランケットがソファから落ちた。



宗がかけてくれたのかな



『………………、…………！……はぁ……』



脳みそは覚醒し始めているのに、耳はまだのようだ。

変だな、彼の声が異様に近い。


家のソファってこんなに小さかったっけ?

もっと長くなかっただろうか。


目を細めたまま、

声のする方へ近づくと彼の声がはっきり聞こえた。


『連絡が来ること自体君にしては珍しいけれど、

今からなんて急すぎるのだよ！』


誰かと話してる……?


｢……しゅう……?｣


そう遠慮がちに声をかけると


『ん? 何かね……』


予想以上に柔らかなトーンで返ってきた。

よく分からないけど、光に照らされて彼が輝いている。

なんだか、夢を見ているんじゃないかと思い、


｢おはよう〜｣


あまり覚醒してない脳でへらへらと喋った。


『！ お、おはよう A』


『なんだ〜シュウ? 彼女かぁ〜?

はぁ〜?斎宮に彼女なんているわけぇ〜?

まぁ、どっちにしろそっちに行くからなぁ〜!』


『か、? いやッ((

恐ろしく一方的だね、全く！』


『………………』

｢………………｣


沈黙に彼の咳払いが響く


『朝食の準備を手伝って欲しいのだけど』


顔が至近距離にあった、


｢わ、｣


｢分かりましたー！顔洗ってきます！！｣


どうしよう、どうしよう！

寝ぼけて、あんな近くに行っちゃうなんて

何してんの？私？

自分の失態に悪態をつきながら、洗面所へと向かった。



頭を冷やすかのように、何度も顔を洗う少女は

もう、絶対にソファで寝ないと心に決めたのだった。

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