フラッシュバック ページ37
「あんた、スタッフの服着てないじゃん。
どう見ても高校生くらいだし……
もしかして俺たちを見に来たわけ？
迷惑だから、ステージ裏とかに来るのはやめてくれないかなぁ」
ステージ上の人物の登場に驚いたのも束の間。
弁解の余地なく、次々と責められる。
理不尽だ。
そんな心の内も虚しく、何も言わない私に苛立ちを募らせる瀬名泉さん。
申し訳ないが、こうも威圧的だと話すに話せない。
……誰か、助けて。
.
すると、
「ちょっと泉ちゃんっ、女の子が固まってるでしょォ？話くらい聞いてあげなさいよ」
説教じみた言葉責めを止めてくれたのは、金髪の綺麗な人。
……Knightsの鳴上、嵐さん。
そうか、ここはステージ裏なのだからアイドルがいてもおかしくはない。
アイドルを目の前にしているというのにこんなにも冷静なのは、きっと、あの人に何度も会っていたから。
知らぬ間にアイドルに免疫がついていたのだ。
しかし、Knightsのふたりを目の前にしてるところなんて、ファンの誰かに見られたら一環の終わり。
早く立ち去りたい。
「えっと、ちょっといいかしら？あなた、スタッフじゃないわよねェ……どうしてここに？」
警戒はしながらも柔らかい物腰。
なんとか言葉を絞り出す。
「え、と……近くにいたらスタッフと間違われてしまって……」
「あら、そうだったの？！ごめんなさいねェ？いいわよ、行って」
ようやく誤解が解けたのか、スタッフに事情を説明して、ステージ裏から出してもらう。
「ありがとうございました」
「いいのよォ。こちらこそごめんなさいね？」
ライブ、楽しんでちょうだい♪と美しく微笑む鳴上嵐さんに少しドキドキしながら、観客席へと戻ろうとする。
しかし、それはくいっと袖を引かれて止められた。
なんか、デジャブ。
あの時、私の袖を引っ張ったオレンジ髪がフラッシュバックしてドキリとする。
……違う。この手はあの人じゃない。
「……さっきは決めつけてごめんねぇ？」
そこにいたのは瀬名泉さん。
わざわざ謝りに来てくれる辺り律儀なんだろう、と勝手ながら感心する。
「気にしてませんから」
「ありがと。……じゃあ」
ステージ裏に戻っていく背中。
ふと脳裏に声が浮かんだ。
『知ったような口をきくな』
思わずその後ろ姿にそっと呟く。
「あなたは待っていますか」
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結 - 完結おめでとうございます!とても面白い作品で涙が止まりませんでした。これからも頑張ってください！ (2021年6月20日 6時) (
レス) id: de81aa094a (このIDを非表示/違反報告)
美玖 - すっごく面白いです！いい言葉が出ないのでこの気持ちを伝えるのが難しいですが、私はすごく好きなお話です (2021年5月8日 21時) (レス) id: 9f95d8689d (このIDを非表示/違反報告)
美夜 - 初コメ失礼します。完結おめでとうございます！とても面白い作品でした！是非、お二人のその後が読みたいです！ (2019年2月26日 2時) (レス) id: 671397f4b4 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 続きを…書いて欲しいですっ！！！！とても面白かったです！！！ (2019年2月26日 0時) (レス) id: e991a9fa95 (このIDを非表示/違反報告)
コユキアメ(プロフ) - この作品見つけたときからすっごく好きです！レオくん推しとしては続きを書いてもらいたいですm(_ _)m (2019年2月25日 8時) (レス) id: f7c062f730 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マヨネーズ | 作成日時：2018年10月8日 17時
