27.最も暗い一等星 過去回想 ページ27
約17年前 アイルランド魔法生物保護区―
ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ
「そんなに急いでどうしたんだ」
当時25歳と言う若さで副区長となった
クロノスの元に慌てた様子の部下が走って来る
「お客様です」
応接間でお待ち下さいとお伝えしたのですが、と
罰の悪そうな笑みを浮かべる部下の後ろには若い青年がいた
ﾌﾗｧｯ…ｶﾞｼｯ
「レギュラス⁉︎」
フラつき倒れそうになったレギュラスを支え
あまりの顔色の悪さに驚きを隠せないクロノス
「急にすみません…」
「話は後で聞く、とりあえず場所を変えよう」
只事では無いのだと察したクロノスは
部下に急用で先に帰る、と伝え姿くらましをした
ﾎﾟﾝｯ
「メリー、客人だ」
「かしこまりました」
クロノスは屋敷に着くとすぐに指示を出し
応接間にレギュラスを案内する
ｶﾁｬ
「何があった」
クロノスは落ち着いた声で問い掛ける
「…クリーチャーが殺されかけたんです」
顔は俯いたままで絞り出す様にそう告げる
彼は屋敷しもべ妖精のクリーチャーを友達として慕っている
「今は…屋敷に隠れる様に言ってます」
僕のせいだ、と小さく呟くレギュラス
18歳の青年の手は震えていた
「レギュラス」
「…はい」
レギュラスは諭すかの様に名を呼ばれ
クロノスの顔をやっと見る事ができた
「言いたく無い事は言わなくて構わない
…私に頼みたいことは何だ」
クロノスは優しく微笑んでそう促す
「…一矢報いたいのです」
震える声でそう告げるレギュラスに
クロノスは眉を下げ悲しそうにする
ﾎﾟﾝｯ
「真面目過ぎるのもたまに傷だな、レギュラス」
席を立ち、レギュラスの頭を撫でるクロノス
その言葉を聞き、涙を堪えようと眉を顰めるレギュラス
「事が済むまで家にいると良い
君の両親は悲しむだろうが、その方が都合が良い
あと…」
扉の前まで移動し、少し言葉を濁すクロノス
「いや、これはいい
君に手を貸そう。大切な友人として」
私は少し席を外すがゆっくりしてくれ、と
クロノスは応接間を後にした
数ヶ月後
ロヤリテート邸からある日突然、姿を消した
レギュラスからクロノス宛に一通の手紙が届いた
―親愛なるクロノスへ
この手紙が届いた頃、僕はもう死んでいるでしょう
どうか、気に病まないでください
僕が覚悟を決める事が出来たのは貴方達のお陰です
優しく綺麗な笑顔、強く暖かい言葉
短い間でしたが、僕はとても幸せでした。
一つだけ、悔いがあるとするなら
貴方達の子供の顔をひと目見てみたかった
R・A・B―
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ひみつ - この作品ずっと大好きで何周もしてます！更新ずっと待ちます (2月6日 0時) (
レス) @page41 id: b76ada1bfd (このIDを非表示/違反報告)
Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (2023年4月13日 13時) (レス) @page41 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
macaron - いつ見ても面白いです！！！更新は遅くてもいいので頑張ってください (2023年3月11日 0時) (レス) @page41 id: bd43d76e72 (このIDを非表示/違反報告)
かとうのすけ。(プロフ) - めっちゃこの作品📕大好きです♥️✨これからも応援します✴✋️ (2023年1月21日 22時) (レス) @page41 id: b6fe45c711 (このIDを非表示/違反報告)
ひなんぐ(プロフ) - このシリーズ大好きです！応援しています🥰 (2022年11月11日 10時) (レス) id: 992b5ebd96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戯言。 | 作成日時：2022年2月8日 13時
