23.寄り添う ドラコside ページ23
ｻﾞｯ
僕はあの坪庭に来て、オークの木に凭れて座り込む
「(全然上手くいかない…)」
キャビネットの修理が全く進まなくて焦燥感に駆られ
呪いのネックレスや毒入り蜂蜜酒まで用意して
ネックレスに関しては失敗したし
蜂蜜酒に関してはまず、不発だった
焦りから下手な事をしてしまったと後悔する
「(また別の策を練るより、修理に集中するのが最善だ)」
失敗したら殺される…両親も僕も
そして、クロウもきっと…
ｸﾞｯ
恐怖、嫌悪感、罪悪感、色んな感情が
抑えきれないくらいに溢れてきて震える手を強く握る
「(君を壊してしまうのは嫌だ…)」
幼い頃からの父上に認められたい一心で
父上が言う事全てに賛同し、望むままにしてきた
それが僕の生きる意味なんだと思ってた、なのに
「(君が僕を僕にしてくれたから)」
僕が唯一、ありのままを出せて
安心できる存在が彼女だった
そんな彼女を失ったら僕は耐えられない
ﾀｯ
『ドラコ』
やっと見つけた、とふわりと笑い、駆け寄って来る
『風邪ひいちゃうよ？』
クロウはそう言いながら、自分のマフラーを僕の首に巻く
ﾌﾜｯ
「…あったかいな」
彼女の落ち着く良い香りがマフラーから香る
君がいると、世界に暖かさと色が戻って来るんだ
僕はもう、君無しじゃ生きていけない
『私の部屋でプディング食べましょう』
みんな待ってるわ、と微笑んで僕の手を引くクロウ
最近、僕から彼女に触れるのが怖くて
好意を伝える事でさえ、躊躇してしまっている
「ごめん…」
君に聞こえない様な小さな声でそう吐き出す
僕なんかが君を愛してごめん
ｻﾞｯ
「⁉︎」
クロウは急に立ち止まり、振り返ったかと思いきや
背伸びをして僕の唇に触れるだけのキスをした
僕は突然の事に目を丸くする
『私も愛してるわ、ドラコ』
頬を赤く染めて優しく微笑むクロウ
彼女からキスしてくれたのは初めてだったし
君から貰う言葉はどれも、泣きそうなくらい優しい
いっそ、君と何処か遠くに逃げてしまえたら
ｷﾞｭｯ
優しく握られた暖かな手をそっと握り返すと
彼女は嬉しそうに微笑んでまた歩き出した
「(…何だってやってやる)」
君の笑顔を守れるなら僕は何を犠牲にしても良い
「クロウの手作りか？」
『えぇ、勿論』
ミンスパイもあるよ、と笑う彼女
君が隣に寄り添ってくれてるから僕は頑張れる
『セオドールがフランベしたいって言ってたけど良い？』
「あぁ」
楽しそうに話す彼女を見れるならこれ以上の贅沢は無いな
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ひみつ - この作品ずっと大好きで何周もしてます！更新ずっと待ちます (2月6日 0時) (
レス) @page41 id: b76ada1bfd (このIDを非表示/違反報告)
Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (2023年4月13日 13時) (レス) @page41 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
macaron - いつ見ても面白いです！！！更新は遅くてもいいので頑張ってください (2023年3月11日 0時) (レス) @page41 id: bd43d76e72 (このIDを非表示/違反報告)
かとうのすけ。(プロフ) - めっちゃこの作品📕大好きです♥️✨これからも応援します✴✋️ (2023年1月21日 22時) (レス) @page41 id: b6fe45c711 (このIDを非表示/違反報告)
ひなんぐ(プロフ) - このシリーズ大好きです！応援しています🥰 (2022年11月11日 10時) (レス) id: 992b5ebd96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戯言。 | 作成日時：2022年2月8日 13時
