２.綺羅星 ドラコside ページ2
「(喜んでくれて良かった)」
夕食を終え、濡れた髪を拭いている
すると、彼女の笑顔が思い浮かんで頬が緩む
少し夜風に当たろう、とバルコニーへ出る
ｻｧｧ
「クロウ、何してるんだ？」
ふと、隣のゲストルームのバルコニーを見ると
クロウもバスローブ姿でバルコニーに出ていた
『星を見てたの』
一緒に見る？、と笑いかけて来る彼女に
今そっちに行く、と伝え、隣の部屋へ向かう
ｺﾝｺﾝｯ
『2人で見たかったの』
すぐ扉が開き、僕の手を引く彼女
「ｯ…」
初めて見るバスローブ姿とまだ少し濡れている髪
いつもの彼女とは少し違う雰囲気に
僕は魅入ってしまい、咄嗟に視線を逸らす
ｽｯ
『ほら、蠍座の心臓』
僕がそんな事をしてる間に
彼女は夜空に浮かぶ赤い星を指差す
「アンタレスだな」
僕がそう答えると、彼女は正解、と無邪気に笑う
「僕の星は見つかったのか？」
夏の星だからあるはず、と僕も夜空を見上げる
ｸｽｯ
『勿論、1番先に探したわ』
彼女の笑い声が聞こえて横を見ると
すぐ隣に居て、そこよ、と竜座を指差して教えてくれる
「(1番先、ね)」
彼女の一つ一つの言動や行動に僕は嬉しくなる
『あの竜は神の大切なリンゴの木を守る役目を担ってて
ある時、うっかり居眠りしちゃって盗まれちゃうの
でも、長い間護ってきたことが認められて
星として空に上げられたんだって』
うっかり屋さんね、と笑いながら教えてくれる
「普通は叱られると思うがな」
僕はその話を聞いて、ふと思った事を言う
大切なものが盗まれたら意味無いだろ、と
『それもそうね
きっと、竜もずっと護り続けて疲れちゃってたのよ
無理をさせた、って神も思ったんじゃないかしら
それに何かを守り続けて星になるってとっても素敵よ』
僕のその言葉に小さく笑い、竜座を見つめながらそう話す彼女
「(何かを守り続けて星になる、か…)」
彼女は時々、ふわふわとした話をする
そんな話をする彼女も愛おしく思う
『ドラコ、聞いてる？』
星を眺めてる彼女を見てたら、本人に怒られてしまった
ｻﾗｯ
「夜空を見る君があまりにも綺麗で見惚れてた」
もうあの時みたいに我慢しなくて良い
そう思って素直に伝え、彼女の綺麗な髪にキスをする
『〜ｯ‼︎』
クロウは火照って少し赤かった頬を更に赤く染める
「(僕が君を守って先に死んでしまって
星になったら、君の名前を付けて欲しいな)」
僕からのキスに未だに慣れなくて
耳まで真っ赤にする君が大好きだよ、クロウ―
３. グリモールド・プレイス12番地→←１.白孔雀 夢主side
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kurou(プロフ) - ルリさん» ルリさん、お褒め頂き光栄です🙇🏻♂️色々と未熟ですが精進していきます！ (2022年1月26日 12時) (
レス) id: 9eb87bac7a (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - とても素敵な作品で、更新が待ち遠しいです！久しぶりのワクワクで読んでいてとても楽しいです！次の更新も頑張ってください！ (2022年1月26日 8時) (レス) id: f2a767728c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戯言。 | 作成日時：2022年1月21日 14時
