Per mare per terram -アズカバンの囚人- (ページ49)

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49.配慮ページ49

クィディッチのあの日、
クロウを観客席から突き落とした女子生徒3人は
アミーとパンジーによってスネイプに告発され、
1ヶ月の罰則を命じられていた―

ｺﾝｺﾝｯ

「来るのが見えたよ」
クロウが開いていた扉をノックすると、そう言うルーピン
そこには既にハリーもいた

『お届け物です』
あの夜の翌日にはすぐ謝罪をしにいったクロウ
そう言い、上質な紙の封筒を手渡す

ｶｻｯ

「これは…」
驚くルーピンにクロウは微笑む
そう、その封筒には
アイルランド魔法動物保護区長からの推薦状が入っていたのだ

『お父様は優秀な人材を欲しているので』
そう言い、クロウは笑い掛ける

「君達親子には敵わないな」
そう言いルーピンは眉を下げ笑っていた

その後2人は昼食の為、大広間へと向かう―

「クロウ何を渡したの？」
ルーピン先生辞職しちゃうって…と
悲しそうな表情をするハリー

『Mr.ルーピンはお父様の所で職員として働くの
満月が来てもあそこなら大丈夫よ
それに、癒者のお母様もいるから』
だから、またすぐに会える様になるわ、とクロウは答える

「君って本当に凄いや」
ハリーは満面の笑みでクロウを見る
するとクロウは、私は凄くないわ、と謙遜する

ﾀｯ

大広間の前に来るとフィデスが近寄って来た

『ほら、ハリー。ブラックからプレゼントよ』
そうハリーにしか聞こえない様に伝え、
寮のテーブルへと行ってしまったクロウ

ｶﾞﾔｶﾞﾔ

「あの…開ける気は無かったんだけど…」
ロンが駆け寄って来てハリーにそう伝える
テーブルの上には大きな包みがあり、人集りが出来ていた

ｶﾞｻｯ

そこには箒が包まれていた―

「ファイアボルト」
「世界最速の箒だよ」
双子がそうハリーに教える

ﾊﾞｯ

ハリーがクロウを見ると、クロウは微笑む
そう、ブラックからのプレゼントなのだ

ﾊﾞｻｯ

「え！？」
いきなり、小さなコノハズクがロンの前に降り立つ

―スキャバーズの件はごめんなさい
　この子を貴方の家族に迎えてあげて―

と書いてあるメモを咥えていた

「‼︎」
ロンはクロウの方を向くが、クロウは
同僚の生徒達と話し込んでいて気付かない

「ハリー！ハーマイオニー！
この梟、ロヤリテートからだよ」
少し興奮気味に2人を呼ぶロン

「あら、本当ね」
「なんて名前にするんだい？」
2人は微笑ましそうに梟を見る

「ピッグウィジョンにするよ！」
よろしくな、ピッグ、と笑い掛けるロン
ピッグはとても嬉しそうにロンに顔をすり寄せていた―