48.クィディッチ ドラコside ページ48
―グリフィンドール、また10点追加です！―
「ﾁｯ」
今日は決勝戦で現在スリザリンは劣勢になっている
ﾋｭﾝｯ
スニッチが僕の目の前を通り、観客席の方へと飛んで行く
ﾋｭｯ
僕はそれを追いかけて行く
後ろからはグリフィンドールのシーカーのポッターも来る
ﾋｭｩｩ
すると、観客席から人が落ちてくるのが見える
「クロウ！」
何故、彼女が⁉︎と驚くが、そんな事より
あの高さから落ちたら、骨が折れるどころでは済まない
僕はスピードを思い切り出して飛ぶ
ｶﾞｼｯ
『ｷｬｯ…ドラコ⁉︎』
間一髪で何とか彼女を抱き止める
「クロウ、しっかり捕まってろ」
『う、うん！』
僕はそのままスニッチを追いかけるしかない、とそう伝える
ｷﾞｭｯ
ﾋｭﾝｯ
クロウが僕の首に腕を回し、しっかりと捕まったのを確認し
猛スピードでスニッチを追いかける
「クロウ⁉︎どうして君が⁉︎」
ポッターは僕が横抱きしているのが
クロウだと気付き、驚愕の声をあげていた
ﾊﾟｼｯ
―スニッチを取った！
ドラコ・マルフォイがスニッチをキャッチ！
150点獲得！―
ﾋﾟｰｯ
「スリザリンの勝利！」
そして、試合終了の笛が鳴り、勝利が確定した―
ｽｩｩ
『ドラコ！凄い！かっこよかった！』
徐行していると、クロウは目を輝かせて僕を見てくる
ポッターは悔しそうにチームの元へと戻って行く
「ありがとう、君が怪我しなくて良かったよ」
あんな所から落ちるなんて何してたんだ、と僕は聞く
『…ドジしちゃって』
眉を下げてそう告げるクロウ
多分何かを隠しているな、と思うが
きっと、何か訳があるんだろうと察する
「あまり無理をするなよ」
そう言い、頭を撫で片手で抱き締める
彼女がいなくなったら僕は耐えられないから
ｽｯ
「ドラコ！ガールフレンドか？」
「かっこよかったぜ」
チームの上級生達が冷やかしに来た
クロウは恥ずかしくなって来たのか僕の肩に顔を埋める
「ｯ…先輩方、冷やかさないで下さい」
さっきはスニッチに集中してて気付かなかったが
この姿勢は流石に近過ぎる…
それに、彼女の良い匂いがずっと香ってくる
ﾁﾗｯ
『…ドラコ、ありがとう』
かっこよかったよ、と頬を赤らめて呟く様に言う彼女
僕はこんな可愛い事をする彼女に
いつまで我慢が出来るのだろうか…
「(今すぐ、好きと伝えて
キスしてしまいたいくらいなのに)」
僕の行動や言動に一喜一憂するクロウ、
彼女を僕のものにしたい、そう思ってしまう―
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作者名：戯言。 | 作成日時：2021年12月20日 21時
