22.1番怖いもの 夢主side ページ22
ｽｯ
「クロウ？少し落ち着いたか？」
ドラコが教室から1番近い坪庭まで連れて来てくれて
そっとベンチに座る様、促してくれる
ﾎﾟﾀｯﾎﾟﾀｯ
『ごめんなさい…ドラコ…』
授業を抜けさせちゃって…と謝る
さっきの光景が脳裏に張り付いて、
あまりの恐怖感に我慢しても涙が溢れてしまう
「そんな事気にするな、大丈夫だから」
ドラコは落ち着いた優しい声で私を安心させてくれる
ﾌﾜｯ
『ドラコ…？』
いきなり、ドラコに優しく抱き締められ
どうしたのか、と顔を上げようとするが
頭を撫でられ、それを制止される
「…落ち着くまでしててやるから」
そう言った声色はとても優しくて、
焦らなくて良い、我慢しなくて良い、
そう言ってくれてる気がして私は身を委ねる
『うん…ありがとうｯ…』
ドラコに抱き締められていると
彼の匂いなのか、凄く落ち着く匂いがして
頭を撫でる手も凄く心地良くて、
恐怖心がゆっくりと溶けていく様な感じがした
『…』
その安心感で私は次第に涙も収まり、うとうととしてしまう―
「クロウ」
そうドラコが呼ぶ声がして目が覚める
どれくらい眠ってしまっていたのだろうか
「もう、お昼の時間だよ？」
アミーがそう告げる
『え⁉︎嘘っ…あ、ドラコごめんなさいｯ』
意識が戻ってくる
そして、ずっと抱き付いて寝てしまっていた事に気付き
急に恥ずかしくなり、顔に熱が集まってくる
「ん、落ち着いた様で何より」
そう言って抱き締めてくれていた手を離すドラコ
少し名残惜しく感じてしまったのは気のせいだと思う
「ほら、イチャイチャしてないで昼食行くぞ」
『ｯ…‼︎セオドール！』
ニヤニヤと揶揄う様にそう言うセオドールの言葉に
私はそんなつもりじゃない！と彼に怒る
大広間―
ｶﾁｬｶﾁｬ
『…』
顔の熱が中々治らなくて
発熱でもしてしまったのか、と思ってしまう
ドラコの顔を見ると思い出してしまい
また恥ずかしさが込み上げてしまうから
彼の顔もあまり見れないままだ
ｺｿｯ
「クロウ、今日の夜、詳しく聞かせて貰うわよ」
私だけに聞こえる様に言うパンジーのその言葉にアミーは頷く
『？分かったわ』
ボガートの事だろうか、と私は相槌を打った―
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作者名：戯言。 | 作成日時：2021年12月20日 21時
