愛だの恋だの(ym×in)

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*

二人揃ってマネージャーの車に拾ってもらってテレビ局へと向かった。


「今日ロケだっけ、スタジオ収録だっけ」

「スタジオ。小ネタまとめ撮りだったと思う」

「気楽なやつだ。やったー」


バンザイして廊下をスキップで進むおれと、二日酔いの頭痛が辛いのかこめかみを押さえる山田。

ケータリングに味噌汁とかあるといいねって思いながら楽屋のドアを開けると、もう来てるメンバーとまだいないメンバーは半々で、部屋の隅に大ちゃんの姿を見つけた。


「だいちゃ……あ」


いつものように彼に駆け寄ろうとして、ふと昨日の山田の言葉が脳裏をよぎった。


──大ちゃんと仲いいとこも嫌い。


「……」

「なに？」


首をかしげる山田に、なんでもないと手を振り、改めて大ちゃんのもとに行く。

こっちもこっちで怠そうな様子で、「おはよっ」と爽やかに挨拶をするとめんどくさそうな顔をされた。


「おはよ…ねっむ…」

「膝枕してあげよっか。大ちゃんだけ特別だよ？」

「いらんいらん。いや遠慮とかじゃねえから！やめて！揺らされるとマジで吐く！！」

「まあまあそう言わず！」


嫌がる大ちゃんを無理矢理太ももに寝かせ、わざと音を外した子守歌を歌ってやる。


「いのちゃんマジでやめてぇ……」


大ちゃんを構い倒しながら山田のほうを盗み見ると。

……すっげー顔してる。

裕翔の隣に座って平然と雑誌読んでるふりしてるけど、指めちゃめちゃ力入ってるし、雑誌の表紙ぐしゃってなってるし。


「……なあなあ、ひかるぅ」

「んー？なに、いのちゃん」

「ちょっと相談があるんだけど…」

「ぅおいっ！いきなり立つなよ！！」


膝から転がり落ちた大ちゃんを放置して、今度は光のところへ。


「相談？なに？」

「…えっと、今日の夕飯なんにしよっかなって」

「は？……冬だからおでんとか…」


あまりにくだらない相談に怪訝な顔しつつ、律儀に光は答えてくれた。


「わあ、さっすが光！すっげえ頼りになるぅ〜」

「え…そう…？」


ありえないくらい大げさに褒めると、満更でもなさげな光をスルーしてまた山田を窺う。

やべえ。眉毛ぴくぴくしてる！

なにこれ、超面白くない！？

どんどん楽しくなってきちゃって、えーと…あとはなんつってたっけ？

高木…はまだ来てないから、裕翔！


「ゆう、」

「ちょっといのーちゃん！涼介！」


狙いを定めて立ち上がった時、鋭い声で知念に呼び止められた。

え、なんか怒った顔してる…なに？こわ…。

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