二十一話 ページ22
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レオ｢………はぁ、｣
たまたま仕事の関係でパリに訪れ、たまたまシュウと出会って何となくシュウの家に上がり込んだらずっと行方を眩ましていたはずのAと出くわした。
苦しさに顔を歪ませ、浅く呼吸を繰り返し、大きな瞳から大粒の真珠を零すAに酷く心が痛んだ。おれが咄嗟に伸ばした手は無慈悲にもAに叩き落とされてしまい、苦しむAの目前にして、おれは何も出来なかった。
………悔しい。悔しいなぁ。
普段天才だの何だの言われてるけど、こういう時に限っておれは何も出来ない。泣きじゃくる友達ひとり慰めることが出来ないなんて、
おれは沈む心に蓋をすることも出来ず、重たい足取りのままセナのいるホテルへと歩みを進める。
『おそいよ、ねぇ、わたし、もう…………』
あの時のAの言葉が、悲痛な表情が、脳裏にこびりついて離れない。
全ての悪意や苦しみから自分を守るように端っこに縮こまるAと、そんなAの背中を擦りながら落ち着くように諭すシュウ。
数分後、慌てた様子のママがやってくるとAは勢いよく立ち上ってママを抱きしめた。それはまるで本物の親子のようで、アイツの掠れた咽び泣く声がおれの罪悪感を酷く刺激した。
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ああ、あの時、もっとちゃんと話を聞いていれば。
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あのとき、アイツらがあんなに泣いていた理由をおれはようやく理解した。
理解して……、後悔した。
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泉｢ちょっとれおくん！聞いてるのぉ？｣
レオ｢うーー！むりだ！あんなことがあった後に
泉｢…………あんなこと？｣
ハッ、しまった！と急いで口を塞ぐがもう手遅れ。視線を上げた先には般若顔のセナが仁王立ちでおれを見下していた。
あーもう！おれのバカバカ！天才だけどバカ！！
最近仕事が多くて疲れてるからと言っても流石にやらかしが多すぎるぞ？！
こんなんだからAも離れていっちゃうんだ。
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だから、きっとこれは…………。
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事を度外視していたおれへの罰だ。
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みるくてぃー(プロフ) - 鳳凰さん» 素敵なコメントありがとうございます！とても励みになります！！不定期更新ですが気長に待って頂けると嬉しいです♪ (8月22日 11時) (
レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰 - 二十四話で推し達がいるの嬉しすぎる！！お話もとても面白いので更新楽しみにしてます！頑張ってください🌸 (8月21日 15時) (レス) @page25 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくてぃー | 作成日時：2023年2月12日 22時
