十八話 ページ19
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凛月「もう一週間もAを見てないんだけど、あんずはなんでだと思う？」
あんず「さあ？何でだろう？」
凛月「………本当に分からない？」
あんず「うん」
私の言葉に不満げな顔をした凛月くんは「そっか」と呟いて踵を返した。
Aさんが海外へ飛び立ってから約一週間。ESや学院内では多種多様な噂が飛び交っていた。まあ、英智先輩が対応して下さってるらしいから近い内には落ち着くと思うんだけどね。
それにしても、渉先輩がAさんの幼馴染というのは驚いたなあ。Aさんが学生だったときも、深く絡んでいるところを見たことがなかったから仲は良くないのだと思ってた。
なんなら不自然なほどに話さないから仲が悪いのだとばかり…………
なんてことを考えながら廊下を歩いていたら、宙くんがひょこっと角から出てきて「あんず〜」なんて笑いながら駆け寄ってきた。
宙「haha〜！今日も元気そうで宙も嬉しいな〜！」
あんず「………宙くんはちょっと元気がなさそうだね」
宙「！……hihi〜、宙、そんなに分かりやすいです？」
宙くんはそう言って私を抱きしめると、次第に震えた声で「実は…」と言葉を紡いでくれた。
要約すると、夏目くんとつむぎ先輩を避けてしまい、いざ会ってもギクシャクしちゃうらしい。
宙くんは元来嘘がつけない真っ直ぐな性格だから、多分二人を目の前にしちゃうと本当のことを言っちゃいそうで怖いんだろうなぁ。
Aさんにも相談しようと思ったけど、相談したらしたでもっと遠くへ行っちゃいそうに感じて不安になってしまった、とのこと。
私は涙ぐみながらも悩み事を打ち明けてくれた宙くんを撫でて微笑みかける。
あんず「あのね、実は嘘にはついていい嘘とついてはいけない嘘があるんだよ」
宙「ついていい嘘、です……？」
あんず「うん、今回の嘘は"誰かを守る為"の嘘であって誰かを傷つけるようなものじゃない」
もしあの時Aさんが"逃げる"という選択をしてくれなかったから、周りに嘘をついてでも"自分自身"を優先してくれなかったら、Aさんは既に壊れてしまってたかもしれない。
私が気付けた時にはもう手遅れだったかもしれない
そう考えると、
今でも震えが止まらない……。
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みるくてぃー(プロフ) - 鳳凰さん» 素敵なコメントありがとうございます！とても励みになります！！不定期更新ですが気長に待って頂けると嬉しいです♪ (8月22日 11時) (
レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰 - 二十四話で推し達がいるの嬉しすぎる！！お話もとても面白いので更新楽しみにしてます！頑張ってください🌸 (8月21日 15時) (レス) @page25 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくてぃー | 作成日時：2023年2月12日 22時
