Stand by me 【Arashi・Masaki・Aiba】

１６．唐突な質問 ページ16

「はい、乾杯。
クランクアップまでがんばろうね」



グラスを掲げてリーダーが笑った。
持ってるカクテルを見たら、
青から紫、ピンクのグラデーションになってる。


(ツンデレかぁ…なるほど)


内心ちょっと納得して、



「乾杯」



合わせた俺のグラスには桜の花びらが浮いてる。
ふわっと香るやさしい感じのお酒。


(うん、春らしいしおいしいな…)


そう思ってうなずいてたら、
隣のリーダーがブッて吹いた。



「わっなに？！」

「あぶねーこぼすとこだった」

「いやもうちょっとこぼれてるけど。
何、どしたの？」

「だってほらこれ。
相葉ちゃんも飲んでみ？」



差し出されたグラスをひと口飲んだら、
俺も吹きそうになった。



「なにこれ超強ぇ！
…けど最後めっちゃ甘い」

「オーダーしたんが？」

「…ツンデレ…！」



顔を見合わせてぶぶっと笑いをこらえる。
バーだから大声で笑うわけにはいかなくて腹筋が痛い。



「あーやっばい超笑った。
でもすごいね、ちゃんとオーダー通りじゃん」

「でしょ。新しいオーダー思いついたら来んだよ、ここ」

「それさぁ、完璧来る目的間違ってんじゃない？」

「違わねぇって、いいの。
でもまぁあれだよ、意地の張り合いっつうか」

「作れるもんなら作ってみろって？」

「うん。今んとこ俺負けっぱ」



子どもみたいに笑って、
リーダーが楽しそうにグラスを眺めた。
ふふ、ホントに嬉しそうにしてるなぁ。
忙しくて釣りに行くどころじゃないし、
たまにでもこういう楽しみがあるならいいね。
ってそんなことを思ってたら、



「ね、ラブはねぇの？」



唐突な質問が飛んできて、
俺の口がポカンと開いた。

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