7つのキス ： WEST

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「え、もうこんな時間？」

　


仕事はだいたい6時に終わる。

だけど今日は新しいブレンドを考える日。

　


いつものようにテーブル席を占領して、気合い入れてたら、平蔵さんはお家に帰り、時計も12を指すところ。

　


店の鍵は持ってるし、……もうちょっといてもいいかな？


　

うん、いいよ。


　

心でそう会話して、また試飲をする。

　

あぁそろそろカフェイン中毒なりそう。

　


「あ…これおいしいかも」


　

これはきた。…けどなんか急に睡魔が…。


「飲みすぎると眠くなる体質やめたい……ふわぁ」

　


えっとこの珈琲はコロンビアと……





珈琲のいい匂いに包まれながら、ぼやけていく視界。

　
同時に思考もふわふわしていく。

　

ガラリ


　


「…まだいたんか……」


　

うっすらなにか聞こえる、これは夢かな？


　

「…風邪ひいてまうよ、Aちゃん」

　


優しい声…




「って寝とるし……」




ふわり肩に暖かいものがかけられて、

　

頭を撫でられて


　

なんだか幸せな夢だ。

　

「…隙ありすぎやねん、ほんまに」


　


ボソッと聞こえた言葉がスーッと流れていって、唇に何かが触れた。

　


ゆっくりで静かで。

　

本当の感触。

　


　

　


え？


　


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