7つのキス ： WEST

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「あ、でな、ここなんやけど、Aつまずきやすいねんな」

　


「…そうなんですか？」

　


「ふは、Aの苦手なとこ俺の方が知っとる」

　


なんか嬉しいなぁ、濱ちゃん先生はニコニコ笑う。


ニコニコって効果音が聞こえるくらい。


　

「…ちょっとここ気をつけてもう一度初めからやってごらん。きっと上手くいくから」

　


プリントに書き込まれた濱ちゃん先生の文字。


お世辞にも綺麗とは言えないけど、詳しく丁寧に書いてあるコメントにやる気をもらえる。


　


「がんばり、ます」

　


「おん、できたらまた持ってきてな」

　


「正解だったらご褒美くださいね」

　


「えーそうやなー」

　


どうしようかなぁ、そう言いながら、唇尖らせて、シャーペンをいじる濱ちゃん先生。

　


「お腹減ったなー」

　


「食べもんかい」

　


「ファミチキ食べたいなー」

　


「俺も食べたい……ってちゃうちゃう」


　

頭をぶんぶん振っているお隣さん。

　


「ご褒美よりも、先にがんばるおまじないかけてあげるわ」

　


油断していれば、
ほら


　

「…ん…ッ」




頭に手がまわり、唇が重ねられる。


　

「彼女だけの特別特権やで」


　

少し悪い顔をして笑うのは、紛れもないわたしの彼氏さん。


　


「…ここではキスしないって約束したじゃないですか」

　


「我慢できなくなって」

　


「もー」

　


「ごめんな？」


　


「……あほ」

　


「やってめっちゃかわええ顔してこっちみるから」

　


「…な、それは」


　

「あ！濱ちゃん先生！！教えてー！！！」


　

「あ、小瀧来た…」

　


「…先生せなあかんね」

　


濱ちゃん先生はそう笑って、席を立った。


　


……独り占めするにはまだ早いみたい。


　


唇にスッと触れれば、さっきの優しいキスを思い出す。

　




「よし、がんばろ」


　



　


.#

　

新作つくりました。

すきなひと

藤井流星さんメインです^^
お嬢様×不良くんのお話です。
お時間ある方は良ければ見てください！

映画館キス ：桃→←キスとお勉強 ：紫

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