12.再会と閑話 ページ12
状況を整理させていただきたい。
椅子に座ったままの私。向かいにはため息をつく夜蛾さん。横には私の右腕を掴んでじっと見つめてくる坊。
?????
「いや〜、どこからツッコめばいいかな」
「とりあえず話でもしたらどうだ」
「夜蛾さん?どこへ行かれる??」
茫然自失な私を置いていかないでほしいな
「慧琉、俺強くなったよ」
「そーかそーか」
坊は腕を離して寝転がった。所謂膝枕である。
なんでそんなニッコニコなの、クソ可愛いな………
てかデカくなったなコイツ
存在じゃなくて物理的に
「さっき夜蛾さんに聞いたよ。小言ついでだから詳しくは分からないけど」
「げっ……話すなら褒めろよあの脳筋」
口の悪さは健在だった。担任を脳筋呼ばわり出来るのすごいよ、多分私ならぶん殴られてる。
「ちなみに反転術式は?」
「……………………まだ」
「来るの早かったかな……」
「難しいんだって!!!」
まあ“完璧主義ではなにも出来ない”ってチャーチルも言ってたしね。
説明も難しいし習得するのも難しい。
私もまだ使えなかった時、ちょいっ↑ってやれば出来るよとか言った先生を半殺しにしようと思ったこともありました。
室内なのにかけたままのサングラスを外してみる。
「六眼、相変わらず綺麗だね」
「………あっそ」
坊は不機嫌になって目を逸らした。
そうそうコイツは自分を見ろ!ってタイプの人間なんだよね。
今の会話で初めて会ったときを思い出したよ
「ん〜〜それにしても…………」
「なに?」
再度目を合わせる坊。必然的に上目遣いになる。
言わんとすることは、分かるな……?
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作者名:名無しの権兵衛 | 作成日時:2020年12月28日 2時