監督生は殺し屋 (ページ8)

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扉を開けた瞬間、視線は俺とクロウリーに注がれる。
その視線は俺を見定めるような、値踏みするような視線が注がれていた。

学「まったくもう。新入生が
１人足りないので探しに行っていたんです。

さあ、寮分けがまだなのは君だけですよ。狸くんは
私が預かっておきますから、早く闇の鏡の前へ。」

クロウリーは俺の背中を前へと押し、
闇の鏡の前へ行くように促す。

狸の声とともに俺は１歩１歩と生徒の間を通り進む。

闇「汝の名を告げよ」

闇の鏡と呼ばれる鏡は俺の名前を聞いてくる。
それを淡々と答える。

もしここでどこかの寮に入れば俺は魔法が使えると
いうことになる。そんなの願ったり叶ったりだ。

少しの期待を胸に寮の名前が呼ばれるのを待つ。

『A』

闇「A………汝の魂のかたちは………」

闇「………………」

闇「…………………」

闇「わからぬ。」

数分間苦悩しただろう闇の鏡は、俺にそう言い放つ。

やはり、住む世界が違えば魔法など前々から持っていないのだと改めて突きつけられた。

同時に俺は異能力が使える人間でもないということも。

別に悲しくはないが特別な力を持っていれば
俺の世界でも活用できたのにと思った。

『…………(やっぱりか)』

学「なんですって？」

闇の鏡が言った言葉に驚くクロウリー。

闇「この者からは魔力の波長が一切感じられない……
色も、形も、一切の無である。

よって、どの寮にもふさわしくない！」

何種類か寮があるのだろう。だがそれら全てに属さない、魔法が使えない人間が今１人だけここにいる。

クロウリーは声を張り上げ、信じられないと嘆く。

学「魔法が使えない人間を黒き馬車が迎えに
行くなんてありえない！生徒選定の手違いなど
この１００年ただの一度もなかったはず。

一体なぜ……」

するとクロウリーの気が逸れて
狸の口を塞いでいた魔法が解かれる。

グ「もごもご…ぷはっ！だったらその席、
オレ様に譲るんだゾ！」

学「あっ待ちなさい！この狸！」

グ「そこのニンゲンと違ってオレ様は魔法が使えるんだゾ！
だから代わりにオレ様を学校に入れろ！

魔法ならとびっきりのを今見せてやるんだゾ！」

赤髪の男「みんな伏せて！」

グ「ん＂な＂〜〜～！！」

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