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突然 彼の雰囲気が変わる。
『……あの？』
｢その簪をそんなに大事にしてくれているとはね｣
雰囲気だけじゃなく声も変わった。…………声も変わった？いやうん、変わった。………………何で？
『え？』
｢おや、まだ分からないか。……その簪、君があの店で見ていたものだろう？｣
と彼が指したのは目の前の通りにある小さな小物屋。確かにこの簪を見つけたお店だ。この人はそれを知っている、ということは……
『……利吉、さん？』
｢正解｣
バチンとされたウインクの仕草は、顔は違えどあの時古びた御堂で別れ際に見たものと重なった。
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利吉さん、そうか利吉さんかぁ。炭屋のボンボンじゃなかったかぁ……
『なんで？』
利吉｢驚くの遅いね｣
『すみません上手く頭が回らなくて』
だって団子食べながら実習の計画練って、話しかけてきたのがこの町の豪商の跡取り息子……だと思ったら変装した利吉さん、なんて誰が予想つくの？？つかなくない？？？こんなデジャヴ中々ないじゃん。
利吉｢揶揄うつもりはなかったんだ、すまない。君こそこんな所でどうしたんだ。今日は学園休みじゃないだろう？｣
『……実習です』
利吉｢ああ｣
合点がいったようで利吉さんはポンと手を打った。
利吉さんが何故か学園の休日事情を把握しているのはスルーするとして問題は現状、NOW。不可抗力とはいえまた利吉さんを実習に付き合わせてしまった。
『前回といい今回といい、実習に巻き込んでしまってすみません……』
利吉｢いやいや、私の方こそすまない。前回はともかく今回も実習とは思わなくて｣
利吉さんも驚いてるけどモブだってびっくりだよ。内容は似たり寄ったりでも時期も時間も違う実習で、無作為に対象を選びだそうと町に出たのに同じ人を相手にしてしまったんだから……
利吉｢実習の内容は何なんだ？まさか、団子を食べてこい、なんてことはないだろう？｣
『違いますよ！……これです』
意地悪く微笑む利吉さんに実習内容の書かれた紙を突きつける。すると眉をひそめて苦笑いした。
利吉｢……シナ先生、楽しんでるな｣
『やっぱりそう思います？』
利吉｢今回監督しに来ていないところを見ると特に｣
『ですよね！？』
実は今回の実習、シナ先生の気配を全く感じていなかった。先生も腕の立つ忍びだから完全に気配を消されているのかと思っていたけど、利吉さんが見かけていないのなら本当に居ないのだろう。
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蒼葉碧(プロフ) - 春さん» わざわざpixivからお越しくださりありがとうございます！ストーリーはこちらの方が少し進んでいますので少しでも頂けたら幸いです……！ (2020年9月10日 22時) (
レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
春 - モブと色を見てpixivから飛んできました！まさか占ツクでUPされていたとは…即お気に入りさせていただきます！ (2020年9月10日 21時) (レス) id: cc81ffe234 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 蘭さん» ありがとうございます〜！ヽ(^0^)ノ (2020年8月18日 18時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - 主人公の性格がドストライクです。更新楽しみにしています。久々知兵助君と利吉さん格好いい！！ (2020年8月16日 22時) (レス) id: ad1a18fb4b (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 凛@昆布教さん» ありがとうございます〜！新たな沼のきっかけになれたなら嬉しいです(^ω^) (2020年8月10日 22時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2020年7月18日 15時
