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｢おい｣
『ッ……』
医務室の戸へ手をかけた瞬間 背後から声をかけられる。待って、このタイミングでの遭遇は予想してなかった。
｢……おい｣
私が返事をしなかったせいか再び声をかけられる。振り向かなくたってもう声で誰かは分かっている。
何故医務室へ？また彼と喧嘩したのだろうか。しかしだとしたら二人で来るはずだし……
『こ、こんにちは……潮江先輩……』
文次郎｢……ああ｣
背後で文字通り仁王立ちしていた文次郎。ひーん距離近い〜！
しかしその顔どころか体にも傷は見当たらない。薬を貰いに来た訳では無いようだ。
『どうかなさいましたか……？』
文次郎｢伊作に用があったんだが教室に居なくてな。ならばここかと思って来てみたんだが、｣
『善法寺先輩ですか』
手をかけたままだった戸を開けると中は無人だった。
『ここにも居ないようです』
文次郎｢そうか。邪魔したな｣
『いえ……』
文次郎は尋ね人がいないと分かるとすんなり踵を返した。治療してくれとかじゃなくてよかった……こんな状況で二人きりとかたまったもんじゃ、
文次郎｢おい｣
『ヒッ』
安心しきって完全に気を抜いていた。なんで戻ってきた？
文次郎｢……｣
『こ、今度はどうされました……？』
痛みか暑さか緊張か、もはや原因の分からない汗が滝のように流れ口角は引き攣る。
文次郎｢お前、顔色悪くないか？｣
『……そんなことないですよ？』
ひい、そんな顔を近づけるな！今の私には逃げる体力すらないんだ！
文次郎｢ほんとか？｣
『大丈夫です。私のことはお気になさらず……うっ、』
何て間の悪い。今痛まなくてもいいじゃないか……！
文次郎｢大丈夫じゃねえじゃねえか｣
『大丈夫です、ただの腹痛なので』
文次郎｢……少し我慢してろ｣
『え、ちょ、まっ……あ"ーーっ！！』
動く力はなくても意外と声は出るもんだなぁ、と一人感心する。只今
文次郎｢耳元で喚くな。こういう時まで男嫌い云々とか言うな｣
『サーセン……』
違う……そうじゃないんだ……
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蒼葉碧(プロフ) - みむまむにさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます〜！ヽ(^0^)ノ (2020年9月23日 8時) (
レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
みむまむに(プロフ) - すごく好きです！前作から引き続きずっと楽しいです！神作をありがとうございます！！ (2020年9月22日 21時) (レス) id: c45f50d5a3 (このIDを非表示/違反報告)
桜舞姫・蝶月姫(プロフ) - そっかぁ、簪の意味分からないかぁ、、、嫌われている所か....ねっ？ (2020年5月22日 20時) (レス) id: fcb098628f (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - nasiremonさん» ありがとうございます〜！´`* (2020年5月15日 23時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon - すごく面白いです！！ 伊作先輩と鉢屋がかっこいい！ (2020年5月15日 0時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2020年3月5日 15時
