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遠巻きとはいえ周りを五年生に囲まれてしまっているので身動きが取れない。その中央で布団に包まる私はさながらサナギのようだろう。
というかいきなり大声出したもんだからちょっとクラクラしてきたかもしれない。……どうせまだ夜だし、朝になるまでもう一回寝ようかな……。
『……お世話になっておきながら申し訳ないんですが、朝までまた寝ることにします』
雷蔵｢うん、その方がいいよ｣
竹谷｢ゆっくり休めよ｣
『ありがとうございます……』
兵助｢ほら三郎、しっかりしろ｣
三郎｢(アイツ石頭だぞ……)｣
『……聞こえてますよ』
勘右衛門｢このバカ。……じゃ、お大事に〜｣
大人しい学年だと思っていたけど全員集まると流石に騒がしかった。まあ四年や六年に比べたらそりゃ全然マシなんだけど。
離れていく足音と雨の音。
途端、揃っていた足音のうち一つだけ止まって駆け足でこちらへ戻ってきた。遠くてよく聞こえなかったけど｢忘れ物｣って言ってた……？
｢失礼しまーす………………あ、あったあった｣
戻って来たのは雷蔵だった。まだ布団を被ったままだから見えないけど、恐らく私が起きるまで読んでいた本でも忘れたのだろう。
雷蔵｢…………Aちゃん、まだ起きてる？｣
『…………はい』
そのまま帰るかと思いきや まさか話しかけられるとは。少しだけ迷って、鼻から上だけを布団から出して返事した。
目の前にいるのは確かに雷蔵なんだけど本当に本人とは限らない。まさかまたイタズラしにきた三郎じゃないよな？と目を細めジーッと見つめると｢僕は本物の不破雷蔵だよ｣と苦笑いで言われた。これは失敬。
『何か御用ですか？』
雷蔵｢いやね、今言わなくてもいい事なんだろうけど……言うなって釘を刺されそうだから｣
『？』
雷蔵｢ほら、さっきの話で三郎は委員会の用事があるからAちゃんのことを見れない、って言ってたでしょう？｣
『ええ、』
確か 私を運んでくれたのは三郎と竹谷だったけど、2人とも用事があるから雷蔵と兵助が見てくれることになったって言ってた。それがどうしたと言うんだろう。
雷蔵｢実は三郎、委員会があったっていうのは嘘なんだ｣
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蒼葉碧(プロフ) - みむまむにさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます〜！ヽ(^0^)ノ (2020年9月23日 8時) (
レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
みむまむに(プロフ) - すごく好きです！前作から引き続きずっと楽しいです！神作をありがとうございます！！ (2020年9月22日 21時) (レス) id: c45f50d5a3 (このIDを非表示/違反報告)
桜舞姫・蝶月姫(プロフ) - そっかぁ、簪の意味分からないかぁ、、、嫌われている所か....ねっ？ (2020年5月22日 20時) (レス) id: fcb098628f (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - nasiremonさん» ありがとうございます〜！´`* (2020年5月15日 23時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon - すごく面白いです！！ 伊作先輩と鉢屋がかっこいい！ (2020年5月15日 0時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2020年3月5日 15時
