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勉強会の間、五年二人は煎餅をボリボリと食べながらこちらをただたただずっと見ていた。正直視線痛すぎて帰りたかった。
でも二人の目がとても優しくて、こうやっていつも後輩を見守っているのかなと思うとそれを見れてこれはこれで役得なのかなとも思った。私もちゃっかり煎餅貰っちゃったし。
『あの、勉強会終わったんで帰ってもいいですかね?』
勘右衛門「え〜早くない?」
『早くないです』
勘右衛門「彦四郎たちもまだ帰って欲しくないよな?」
彦四郎「いえ、たくさん教えてもらったので満足です!」
庄左ヱ門「これ以上付き合ってもらうのもA先輩に悪いですし」
勘右衛門「……」
もう帰っちゃうの〜?と親戚の子供みたいな駄々のこね方をする勘右衛門。後輩の前でそんなことして恥ずかしくないのだろうか。それにどうやら一年生の方が大人だったみたい。
『……帰っていいですか』
三郎「んー……」
三郎が何か言いかけた、その時
──タッタッタッ……バンッ……パタン……タッタッタッ……
遠くから聞こえる、誰かの駆け足の音と戸を勢いよく開けた音と、そしておそらく閉めた音。それがどんどん近づいて大きくなっていく。
勘右衛門「…………兵助なにやってんだろ」
『へi……久々知先輩?』
さすが、五年生ともなれば足音で誰か判別できてしまうのか。一緒にいた相手だから尚更なのか。しかし何故に兵助が?火薬委員会は煙硝蔵で行うはず……
──スパーンッ!
兵助「っは、……居た!!!」
彦四郎「本当に久々知先輩だ……」
勢いよく開いた戸から息を切らして入ってきたのは本当に兵助で、彼がそう叫びながら指をさしたのは私だった。
勘右衛門「どうした兵助、そんな息切らして」
兵助「っ、どうしたもこうしたもっ……勘右衛門たちこそこんなとこで何やってんだ」
勘右衛門「何って……委員会だけど」
兵助「今みんなでAを探してたんだ」
『わ、私……?』
兵助「ああ、保健委員会が凄い形相で「Aを知らないか?」って全委員会を回ってたらしくてな。既に活動を終えた俺たち火薬委員会が手伝ってたんだ」
『oh……』
思い出してみれば私、委員会を初めての無断欠席したんだった。それで心配して探してくれてたの?シンプルに嬉しくて泣きそう。
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黒糖さまでーす - かすてらさん、わかります自分もニヤけてます。 (2023年3月5日 23時) (レス) @page50 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
かすてら - 忍たま…子ども向けアニメなのにニヤけちゃう… (2020年9月5日 12時) (レス) id: fce6735151 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 一般人Nさん» へへ、ありがとうございます。告白されたの初めてなので嬉しいです*˙˙* 雑渡さん出ます!話の順番的にもう少し後なんですがめちゃくちゃ出てくるお話があるのでそこまでお待ちいただければと思います……!> < (2020年2月24日 21時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
一般人N - 初コメ失礼します!大好きです付き合ってください!(( 個人的に雑渡さんが好きだから雑渡さん出してくれると嬉しいなぁ…なんて思ってます!できればで良いので、無視してもらっても構いません!更新楽しみにしてます、頑張ってください!! (2020年2月24日 16時) (レス) id: 3767b6257a (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - リリイさん» コメントありがとうございます!本編ではファンタジー要素を入れる予定は無いので本編終了後、番外編などで書ければと思います。素敵なアイデアありがとうございます^ω^ (2020年2月24日 8時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼葉碧 | 作成日時:2019年12月22日 23時