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仙蔵「保健委員で買い出しに出ていたみたいでな。手伝った礼だと貰ったから一つやる」
文次郎「……おお、饅頭か。丁度糖分が欲しかったところだ」
仙蔵「少しは味わったらどうだ……」
また机に視線を向けた文次郎に背後から饅頭を一つ投げてやると、こちらを振り向きもせず、人差し指と中指で挟むようにキャッチ。丸ごと口に放り込んだ。
文次郎「……それでどうだった、Aに会った感想は」
仙蔵「感想、といわれてもな」
言うならば、初めて近い距離で見かけた予算会議の時よりも小さく見えた、だろうか。会った瞬間悲鳴をあげれるのは初めてだったから少し面白くもあった。
文次郎「それにしても保健委員会に取られるとは勿体なかった。うちに入ってくれたならもう少し楽になったかもしれんのに」
仙蔵「それをいうならうちだって同じだ。……というか前まで"根性無しに決まってる"なんて言ってたくせにどういう心境だ?」
文次郎「作法はそこまで仕事がないだろうが。……予算会議で見かけただけだが、ただの根性無しには見えなかった。それにお前から逃げ続けていたのだから腕は立つのだろうな」
仙蔵「ほう、」
文次郎がここまで言うのは珍しい。こいつら二人で対面した時の反応が楽しみになった。
今だから言える事ではあるが、実はAAはほぼ確実に作法委員会に入ってくるという自信があった。
文次郎の言う通り、他の委員会に比べ仕事はハードではないしうるさい奴もいないし不運でもない。後輩たちも優秀だし欠点といえば喜八郎が穴を掘りすぎるくらいというこの作法に入らずしてどこに入るというのかとまで思っていた。して実際に入ったのは不運委員会、何故だ。
仙蔵「まあ伊作がああいう奴だからAの男への苦手意識が緩和されているところはあるだろうな」
文次郎「男への苦手意識なあ……まあ小平太や留三郎だったら絶対無理だろうな!」
仙蔵「お前も無理だと思うがな」
文次郎「……」
それはさておき今日も酷かった。伊作とAを手伝っていたのがしんベヱと喜三太でなければ……しかも最後の最後でAに逃げられてしまった。二人に気を取られてあまりAを観察することも出来なかった。
次会えるのはいつになることやら……
文次郎「……おっかない顔してるぞ」
仙蔵「こっちを見もしないでなぜわかる」
文次郎「雰囲気だ」
仙蔵「……」
全く、失礼な奴だ。
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黒糖さまでーす - かすてらさん、わかります自分もニヤけてます。 (2023年3月5日 23時) (レス) @page50 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
かすてら - 忍たま…子ども向けアニメなのにニヤけちゃう… (2020年9月5日 12時) (レス) id: fce6735151 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 一般人Nさん» へへ、ありがとうございます。告白されたの初めてなので嬉しいです*˙˙* 雑渡さん出ます!話の順番的にもう少し後なんですがめちゃくちゃ出てくるお話があるのでそこまでお待ちいただければと思います……!> < (2020年2月24日 21時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
一般人N - 初コメ失礼します!大好きです付き合ってください!(( 個人的に雑渡さんが好きだから雑渡さん出してくれると嬉しいなぁ…なんて思ってます!できればで良いので、無視してもらっても構いません!更新楽しみにしてます、頑張ってください!! (2020年2月24日 16時) (レス) id: 3767b6257a (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - リリイさん» コメントありがとうございます!本編ではファンタジー要素を入れる予定は無いので本編終了後、番外編などで書ければと思います。素敵なアイデアありがとうございます^ω^ (2020年2月24日 8時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼葉碧 | 作成日時:2019年12月22日 23時