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六年生の中でも華奢に見えるけどやっぱり六年生だし、結構力あるんだな
伊作「本当は何か食べた方がいいんだけど食欲がないならしょうがないか……はい、これ薬」
いかにも苦そうな真緑色の液体
『ありがとうございます……うぇ、にがい……』
いつか飲んだ急須にずっと残ってたお茶より苦い
伊作「はは、保健委員会特製のちょっと苦いけどよく効く風邪薬だよ」
良薬口に苦しってやつですか
伊作「数馬から熱もあるって聞いたから水も汲んできたんだ。少し冷たいけど我慢してね」
『……ん、』
濡れた手ぬぐいが額に置かれる
冷たくて気持ちいい
伊作「さて、僕もそろそろ食堂へ行かないと食べ逃しちゃうからね。薬も飲んだことだし、今日一日はゆっくり休むんだよ?」
『はい……』
善法寺先輩行っちゃうのか……
伊作「お昼とか放課後に様子見に来るから、またね」
『ありがとうございます』
1人になった保健室には
ただただ薬草の香りが広がっている
⋮
静まり返った保健室に1人
今はみんな食堂へ行っているからか、遠くからの声すら聞こえない
自室は1人なんだから慣れているはずなのに
何だか寂しく感じる
体と一緒に心まで弱ってるのかな
?「失礼、入るぞ」
聞き慣れた声に意識を持ち直した
『……はい』
?「……大丈夫か」
?「おはようA」
『父上、土井先生』
山田「先程善法寺伊作からAが保健室にいると聞いてな」
土井「後から顔を出せそうに無くて今来たんだ」
ただでさえこれから授業で忙しいというのに
わざわざお見舞いに来てくれたらしい
『ケホッ、ありがとうございます』
土井「ああ、早く治すんだぞ」
山田「体調は崩さないよう気をつけなさい。……利吉に伝わったらすっ飛んでくるぞ」
土井「……利吉くんならやりかねないな」
飛んでくる、それが比喩ではないことを私が1番知っている
『……気をつけます』
山田「うむ」
土井「それじゃあ私たちはそろそろ授業があるから」
『わざわざありがとうございました』
土井「早く良くなるといいな。委員会で待ってる」
そう柔らかく微笑むと保健室を後にした
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三日月 - おはようございます!いつも楽しみにしてます!朝からすみませんm(._.)m実は私も25日から忍たま小説を書き始めました!もし良ければ見てくれたら幸いです!他の皆様も是非ご覧ください!「忍術学園5年い組には女性がいます」ですのでお願いします! (2019年8月27日 5時) (レス) id: 5dc20f7650 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - アクヤさん» こんにちは、コメントありがとうございます!自己満足と趣味の塊にそのように言って頂けて嬉しいです。頑張ります……!^ ^ (2019年8月19日 17時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ - いつも「面白いな。」と思いながら読んでいます!これからも頑張ってください! (2019年8月19日 16時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)
藤華 - そうですか、わかりました。 (2019年7月17日 5時) (レス) id: 5dc20f7650 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 藤華さん» こんにちは。他に書いている短編集ではリク募集をしているのですがこっちではしてないんです…申し訳ないです…! ´・ω・ (2019年7月16日 16時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼葉碧 | 作成日時:2019年6月11日 0時