17話 ページ18
「大丈夫か?」
降谷が座っているAに顔を合わせるように、目の前で腰を下ろした。
「、はい。」
「よかった。」
安堵したように微笑む降谷の顔を見るとAはなんだか心が波打つ。
「ったく、夢中になるとお前は周りが見えなくなるのかよ。降谷は」
「…仕方ないだろ?緊急事態だったからな…」
「まーそういうとこは降谷の良いとこだしな…っめなんでA泣いてんだ?」
松田にそう言われてAは自分の顔に触れた。ぼろぼろと涙がこぼれ落ちていた。
「傷が痛むのか!?」
「いや、これは…」
傷が痛むとかではないんです。と言いつつも、ぼろぼろと雫が零れていた。オロオロしている降谷の横で松田が腕を組みながら考えていた。
「もしかして降谷が怖かった、のか?」
え?と降谷が松田の方を見た。
Aも少し反応が遅れた。
「だって俺は降谷のああいう所見たことあるけどよ、Aは初めてだろ?だったら少し怖がるのも無理ないぜ?」
応えようとしないでいるAは少し下を向く。
「…そうなのか?」
降谷も少し不安になって声をかけた。
「…わかってるんです。この先こういうことは何回もあるかもしれないので自分で対処しなくてはいけないってことや、怖い体験だって、辛い体験だってやらなくてはいけないことはわかってます。」
でも、いざこういうことに巻き込まれると…何も出来ない自分に、腹が立つんです。ずっと守られなくては行けていけない自分にも!__とズボンを掴みながら涙を流した。
「降谷先輩のがこれっぽっちもない、ってわけではないですけど、弱い自分が嫌なんです!」
顔を上げたAの泣き顔ではあるが凛とした顔に降谷は心を奪われた。
「私は______って!?ふ、ふ、降谷先輩!?!?」
急に降谷がAに抱きついた。優しく、壊れ物を扱うように…
「ひゅー。やるね〜降谷も」
「ま、松田先輩!!降谷先輩を止めてください!」
松田が軽く冷やかした。
「わかるよ。その気持ち…弱い自分を変えたいよな。」
降谷の声は今までにないくらいの優しい声だった。
そんな声にAはドキッとしてしまう。
「これから変えればいいよ…。今から。大丈夫、すぐ変わるよ。お前ならできるから」
「______っ。」
降谷はそういって離れ松田を連れて学生棟に戻っていった。
「え、な、なに今の…」
Aは被っていた警察帽で顔を隠した_____
真っ赤になっているだろう、その顔を。
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夜空(プロフ) - いつも楽しみにしてますもう最新しないんですか?出来ればまた、最新して欲しいです頑張ってください応援しています (2021年5月5日 21時) (レス) id: 15c1247fea (このIDを非表示/違反報告)
ぷっちょ(プロフ) - 環奈さん» 本当ですか!?作った甲斐があります!これからもこの作品をよろしくおねがいします(^^) (2018年6月9日 18時) (レス) id: 358e6d9f8d (このIDを非表示/違反報告)
環奈(プロフ) - 警察学校組の作品いっぱい見ましたけど、この作品が一番好きです (2018年6月9日 12時) (レス) id: 7c11cf583b (このIDを非表示/違反報告)
和美/美香 - いえいえ、どういたしまして。はい、わかりました。続き頑張ってください。 (2018年6月7日 20時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
ぷっちょ(プロフ) - 和美/美香さん» 初コメントありがとうございます!引き続き皆仲良くやっていきたいと思います! (2018年6月7日 18時) (レス) id: 358e6d9f8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷっちょ | 作成日時:2018年6月7日 8時