泡を吐き出し、そして謳え【柊一颯】 (ページ4)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:26,584 hit

・ページ4

いきなりの言葉に驚きを隠せず、固まってしまう

｢人質ってどういうことですか｣

｢俺の目的が達成するまで、皆にはこの教室にいてもらう｣

いつものHRの時のような口調でそう宣言した彼は、やはりいつものHRのような穏やかさだった

｢ぶっきー滑っちゃったねー笑｣

｢卒業式前だから浮かれちゃったんだよね？いいよいいよ、そーゆーぶっきー嫌いじゃないよ｣

笑い声や、馬鹿にした声が聞こえてくる

｢ねぇ、もしかしてさぁ、卒業に関わる重要なことってこれ？これのために全員出席するように呼びかけたの？｣

不満の声も上がってきた

｢そうだよ。卒業する前に皆と一緒にぜひ解決しておきたいことがあって｣

なんだかいつもの口調、表情のはずなのに、雰囲気が全然違うようにも見える

｢んだよ、こんなことなら家で寝ときゃよかった｣

｢アホらしい帰るぞ｣

来たばっかりの甲斐軍団が帰ると言い出し、扉に手をかけるが、開かない

｢扉は開かないよ。特殊な鍵をかけたから｣

あの扉は彼のせいだったのか

なるほど、とひとり納得していると

｢さっきから訳わかんねぇこと言いやがって！｣

甲斐が先生に殴りかかった

｢さっさとドア開けろよ！！｣

そう怒鳴り、手を振り下ろす

『ちょ、やめ…な…って…』

急いで止めに入ろうと立ち上がったが、その必要はなかった

｢いってぇ···｣

小さく呻く甲斐

彼を押さえつける一颯くんは余裕そうだ

ポケットに手を突っ込み、出てきたのはナイフ

｢こんな物騒なもの持ってきちゃダメだろ？没収だ｣

いや、ほんとになんで持ってきてんの

｢てんめぇ｣

頭にきたらしい甲斐軍団が一斉に襲いかかるが呆気なく負けてしまう

｢ぶっきーって雑魚キャラじゃなかったんだ｣

誰かの呟きに、一颯くんは口角を上げ、

｢これでも昔はアクション俳優を目指していたんだ｣

そう言った

あくしょんはいゆう？

聞いたことの無い言葉だ

あとで調べてみよう