金曜日、一緒にご飯を食べるだけ。【そらる】

焼き肉 ページ9

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彼方くん明日の夕飯まふまふとか連れてっていい?


木曜の夜、お風呂上がりにスマホを眺めていたら、そんなメッセージが届いた。


A全員で何人来る?

彼方くん俺入れて4人


4人か……つまり私含めて全員で5人、さすがにその人数分のご飯を作るのはちょっとめんどくさい。どうしようか……あ、そうだ。先日買ったばかりの新兵器を思い出し、すばやく返信する。


A1人1パックずつ、こま切れじゃない牛肉持ってくるよう言っといて

Aあと、明日のご飯は彼方くんの部屋でよろしく


困った時はホットプレートに頼るのが一番。


＊＊＊


インターホンを押し、ホットプレートと野菜が入った袋を手に彼方くんの部屋に足を踏み入れると、そこにはすでにまふくんたちの靴があった。どうやらゲームをしているらしく、BGMやSE、彼らの騒ぐ声が玄関まで聞こえてくる。


「おじゃまします……」

「あ、A」

「Aさんお久しぶりです！」


ゲームが一段落した頃合いに声をかけると、彼らはわらわらと振り返って挨拶してきた。なんかみんなかわいいな……。


「今日は配信するの？」

「いや、今日はただのゲーム合宿。まふまふが隠しキャラ出したいから手伝ってって」

「ちょ、最初に集まろうって言ったのそらるさんじゃないですか！」


小競り合いに反応してテレビ画面に目を向けると、キャラクター選択の画面にはいくつかの？マークがある。なるほど、ここを埋めたいのか。


「配信ないなら見学しててもいい？明日休みだし、みんながやってるとこ見るの面白いし」

「全然大丈夫ですけど……Aさんはやらなくていいんですか？途中で交代しますよ、そらるさんが」

「俺かよ」


うらたくんの彼方くんいじりも健在だ。たまに画面越しで聞くやりとりが目の前で行われると、そういえば彼方くん……そらるさんって有名人なんだ、と実感する。


「それで、今日のご飯なんですか！！」


目を爛々と輝かせて坂田くんが振り返る。多分お肉を頼んだ時点で期待してるんだろうな……。

今日は焼き肉するよと言うと、4人は無言でハイタッチし、いそいそとゲームを片付け始めた。子どもか？

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