検索窓
今日:14 hit、昨日:9 hit、合計:90,144 hit

ページ10




「……よし、やるか」


普段使わない調理場での料理というのは、なぜかいつも緊張する。どこにどの調味料や用具があるのか分からないというのは、やっぱり不安になるものだ。

私が具材を用意する間、4人は私持参のホットプレート(未使用)と格闘している。説明書の書き方が難しいみたいだけど、彼らより機械に弱い私が手伝ったところで無駄だろう。私に出来るのは料理だけだ。


まずみんなが買ってきたお肉に焼肉のタレで下味をつけるんだけど……


「……このA5ランクの和牛持ってきた人ー」

「あ、それ僕です!昨日頂いたので持ってきました」

「……うん、美味しそうだね」


だめだ、この人たちに常識なんてない。

せっかくのいいお肉だし美味しく頂こう。真冬くんと和牛に手を合わせ、4パックの牛肉をボウルに入れ、焼肉のタレを揉み込む。

じゃがいもとナスは薄切りにして水にさらす、玉ねぎはくし切り、ピーマンは半割りにして種を取る、にんじんは薄めのななめ切りにして……


「はい、好きに焼いて!お肉ばっかりじゃなくて野菜もちゃんと食べること!」


高級肉争奪戦、開始。





「……もう何も入んねーわ」

「そりゃあ、白ご飯とお肉ばっかり食べてりゃね」


彼方くんと坂田くんは沈没、まふくんとうらたくんは2人の食器を片付けている。私は残った野菜処理班。お肉は消滅、たくさん炊いてもらったご飯もほぼ無くなっている。


「みんな食べ盛りすぎない?部活帰りの男子高校生くらい食べるじゃん。太るよ」

「ゲームは頭使うから疲れるし、夜も長いから体力使うし。実質カロリーゼロみたいなもんでしょ……」


子どもみたいなことを言う最年長に全員が苦笑する。特に相棒さんからの視線がめちゃめちゃ冷たいけど、彼方くんは気付いてるのかな……。

みんなのお腹が落ち着いたところでゲームは再開され、私も時折混ぜてもらった。もちろん私はボロ負けだったけど、深夜テンションも相まって、日付が変わるまでみんなとぎゃーぎゃー騒いだ。


たまにはこんな週末も悪くない。

雑炊→←焼き肉



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (180 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
403人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , そらる
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いつかのだれか。(プロフ) - 執筆お疲れ様でした。料理や登場人物の心理描写が好きで、ずっとお気に入り登録していた作品だったので更新されたこと・完結まで読めたこと、とても嬉しく思います。素敵な小説をありがとうございました。これからもお体に気をつけてお過ごしください🍛 (3月23日 0時) (レス) @page40 id: 0075fb22a2 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 少しずつ三崎さんのペースで回復していってください。また三崎さんの素敵な話が見られるのを楽しみに気長に待ってます。 (2020年9月20日 8時) (レス) id: 0edccb8a0c (このIDを非表示/違反報告)
つばさ - 無理せずにゆっくりでもいいので体調を良くしていって下さい! (2020年9月19日 21時) (レス) id: 46296c987b (このIDを非表示/違反報告)
三崎(プロフ) - しおさん» ありがとうございます!無理せず体調を治していきたいと思います◎ (2020年8月23日 19時) (レス) id: 83ba49b51f (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - お知らせありがとうございます、どうか無理せず自分第一で暮らしてくださいね、こちらこそいつも素敵なお話をありがとうございました。早く回復しますように願ってます! (2020年8月23日 17時) (レス) id: 47ac21f61f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:三崎 | 作成日時:2020年3月22日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。