甘い毒に囚われて

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.



ザザッ



“…じゃあな”

“…う…またね、テヒョナ”



ザザッ…





「今日はちょっと電波が悪い…？」




途切れ途切れに聞こえるAの声に首をかしげる


そんなはずはない


ちゃんと聞こえるような位置につけたはず

しかも、Aがいる場所は電波が普通に届く範囲の場所なはず




「…気づかれたか？」



…いや、鈍感なAだ

そう簡単に見つけるはずがない








…ということは





テヒョンとかいう幼馴染か？

…んー





ザザッ





片耳のイヤホンを外してくるっと手で弄ぶ



辺りを見渡すと真っ白な雪が辺りを覆っていて



足を動かすたびにザクっと音がした





「はぁ…」





吐いた息は、白く、すぐに消えた




ザザッ





…もう喫茶店に入ったかな





手に持っていたイヤホンを耳につけ、注意深く耳をすます





“…ふぅ”





あぁ、Aは猫舌だっけ



いつも見てるけどそういうところ本当に可愛いよね





“…こち…サービス…どうぞ”





ザザッ



本当に今日は電波が悪いな





…でも、さっきの声は





“…はぁ…っ…はぁ…”






徐々に息が上がっていくAの声


そして




“…ずっとずっと僕のものにしたいと思ってて…”





俺の耳には似つかわしくない男の声




ザザッ


ザザッ…


…ピッ







スマホの電源をオフにしてポケットにしまい込む


丁度目の前にはドアがある


あぁ…よかった





.









ずっと見てて(・・・)








.





あぁ気持ち悪いな





ほかの男に触られるなんて









「…Aちゃんっ」









だから、その手を離してほしいんだ



まぁ、容赦はしないけど






.



誰のサイドかって？

まぁわかると思います


それと、遅くなって本当に申し訳ないです

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