裏切り者の時間 ページ35
最上階
緊迫感とただならぬ空気を醸し出すこの部屋を突破すれば遂に真犯人にたどり着く
私たちは音をたてぬよう烏間先生に教えて貰った歩き方で進んだ
すると一人の男の影が椅子に座っていた
…犯人だ
奴の近くには配線のついたスーツケース
きっとあの中にみんなに盛られたウィルスの治療薬が入っているはず
私たちは打ち合わせでどおり一気に奇襲をかけようとした
「かゆい」
犯人から声が発される
その声にみんな動きが止まってしまった
「思い出すと痒くなる でもそのせいかな 」
ボリボリと頬を掻きむしるような気持ちの悪い音が部屋に響く
「いつも傷口が空気に触れるから…感覚は敏感になっているんだ」
そう言った瞬間
バッ!と大量のスイッチの様なものを投げた
「「!!」」
みんなの動揺する声とスイッチが落ちる音が混ざり合う
「もともとマッハ20の生物を殺すために来てるんだ リモコンだって超スピードで奪われ内容に予備で作る」
その聞き覚えのある声に私は体が一気に硬直する
しかも前より邪気を孕んでいる
「…連絡がつかなかったのは3人の殺し屋の他に身内にいる 防衛省の機密費…暗殺に使うはずの金をごっそり抜いて…俺の同僚が姿を消した」
「どういうつもりだ…」
その言葉に…犯人は振り向く
「鷹岡ァ!!!!!」
鷹岡先生は以前よりも狂気を増した顔で私たちを舐めまわすように見る
こいつが…最後の黒幕
顔も見たくなかった
「悪い子たちだ…恩師に会うのに裏口から来る 父ちゃんはそんな子に教えたつもりは無いぞ」
「仕方ない 夏休みの補習をしてやろう」
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作者名:みづき | 作成日時:2020年3月16日 15時