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女の子の時間 ページ27

「渚くん…男の子なんだから前に立って頑張って!」



「嫌だよ…前に立つとか絶対無理」




そう女装をしている渚くんに私は声をかける
なぜ渚くんが女装をしているのか
これは約数分前に遡る…









作戦の下見のために私たちはこのフロアを行かなければならないのだが、この大人数で行くと怪しまれるということで女子だけで潜入することになった






「でも…男手が欲しい時はどうするの?」






女子で話し合っていた時、そう聞くとみんな渚くんをじーーっと見つめた
当の本人は不思議そうな顔で小首を傾げている
そして数分後、外に脱ぎ捨ててあった女物の服を渚くんに着せた




これが現在までの経緯である





それにしても渚くんの女装はめちゃくちゃ似合っていて私も驚いた
ここまで似合うとは…素質があるのかななんて考えてしまう





すると渚くんの肩にポンっと手が置かれる
みんなで一斉に振り向くと同い年くらいの男の子がいた





「ねぇ彼女、そっちで俺と酒飲まねー?金あるからなんでも奢ってやんよ」





私たちはその声に鋭い視線を送った





「はい、渚 相手しといて!」



女子一同は渚くんにその男の子を押し付ける
可哀想な気もするけど、作戦の下見が終わればすぐに迎えに来ることを条件に渚くんたちを後にした




私たちは作戦ができるかキョロキョロしていると





「ねぇお嬢ちゃん 女だけならさ俺たちと遊ばない??」






次から次へと同じような連中が…






「あの言っておきますけど私たち…」





さすがに我慢ができない
声をあげようとすると誰かの手が私の肩に乗る感覚がする
ぱっと見ると笑顔の矢田さんがいた







「お兄さん達カッコイイから遊びたいけどあいにくパパ同伴なの私たち うちのパパちょっと怖いからやめとこ?」






「ひゃひゃひゃ パパが怖くてナンパできっか…」






その言葉を聞いたと同時に矢田さんが何やらバッジみたいなものを見せた






「じゃ、パパに紹介する?」






矢田さんがそう言うと、男たちは顔色を変えてすぐさま逃げていった






「いくじなし 借り物に決まってるのにね」



ふふっと笑いながらそのバッジを投げた

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作者名:みづき | 作成日時:2020年3月16日 15時

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