エピソード6 ページ26
お洒落な看板に、お洒落な外装。
まるで、お嬢様になったかのような気分に少しだけご満悦。
そんな私を見て、ゾムくんはため息を吐いた。
「はよ中、入ろうや。ケーキが逃げるで」
「いや、ケーキは逃げないよ」
「知っとるけど…」
じゃあ、何で言ったの？なんて思いながらも首を傾げれば、ゾムくんは困ったように笑って。「それ、可愛いからやめて」なんて言う。
いや、理不尽。
仕方なく、外装を眺めるのをやめて、お店のドアを引けば、カランっとドアベルが鳴り、美味しそうな甘い香りが漂ってくる。
内装もお洒落で、私達のようなカップルや、女友達でのお客さんが楽しく会話しながら、食事を楽しんでいた。
「何名様ですか？」
お洒落なお店で働くいかにもな、女性店員に聞かれて、たどたどしくも「二人です」と言えば、「此方へどうぞ」と席に通される。
運が良く、窓際の静かそうな席で、差し込む陽の光が、さらにお洒落に見えた。
「席、空いててよかったね」
「おん」
二人席で、向かい合うように座れば、先程とは違う店員さんが現れて、メニュー表を机に置いた。
「お決まりになりましたら、そちらのベルでお呼びください」
テンプレートな言葉を述べて、去っていく店員さんの背中を見送り、メニュー表へと視線を戻す。
「どれが良いかな？」
「俺、こういうの分からんから、好きなの選んでええよ」
「本当に？…じゃあ、私のオススメコースね」
実質、私の食べたい物を選び放題である。
ショートケーキやチョコケーキ。定番のものから、ジャヴァネやフルーツタルトなどのあまり食べない物。私とゾムくんとで計６つのケーキを決めて、飲み物の欄に視線を動かす。
「飲み物は、どうしよっか？」
「……」
「聞いてる？ゾムくん？？」
返事がないので、ゾムくんの顔を覗き込むように近づけば。
ゾムくんもまた、顔を近づけてきて、唇に暖かく柔らかい感触が神経を撫でた。
「ぞ、む…くん？」
「あ、すまねぇ！…無意識やったわ」
「ここ、お店の中なのに！…はっ…」
そうだ。お店の中だ。
今更ながらに周りを見渡せば、特に変わった雰囲気はなく、どのお客さんも楽しそうに会話をしている。
そんな様子に、ホッと安堵して、またゾムくんの方に向き直った。
「誰かに見られてたら、どうするの！」
「どうもせんけど。…てか、Aが悪い」
「いや、なんで？？」
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月見(プロフ) - RURUさん» 感想ありがとうございます！もっと、二人の仲を上手く書けるように頑張りますね！（笑） (2021年1月23日 16時) (
レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - 尊い…(尊死)好k(昇天) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - あんこおさん» 感想ありがとうございます！続編も頑張ります！（笑）rdさん了解しました。私も考えていたので、絶対書きます！（笑） (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みかん_(:3」z)_さん» いえいえ！そんなことないです（笑） (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
あんこお - もう夢主もZさんも可愛すぎてこっちが昇天します。続編頑張って下さい！！あと、ついでに青いrdさんと絡ませてくれると嬉しいです() (2021年1月11日 19時) (レス) id: 922d9dcc2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2020年12月27日 17時
